[大学の研究室。モニターの光だけが三人の顔を照らす。白板には無数のモデル案と矢印。床にはフロアバレーボールのボール。]
太郎(M):(静かに高揚して) ノイズまみれのデータでも、最後まで拾い続ける推論器……後衛の執念をアルゴリズムにしよう。
次郎(M):(理詰めに) 入力を全方位で受け止めるマルチモーダルのレシーバ。まずは前処理を二段構えにして、取りこぼしゼロを目指す。
三郎(M):(冗談めかして) 全員後衛のAIって、なんか新しい。攻めは最後でいい、徹底的に拾って繋げば勝てる。
太郎(M):(目を輝かせて) そして――世界中のシェアを独占する。僕らのAIが標準になる。
次郎(M):(慎重に) 独占って言葉は重いけど、品質で圧倒するって意味だ。誰もが自然に選ぶくらいに。
三郎(M):(拳を握って) まずは初期版を回そう。名前は……「REAR-3」。三人の後衛ってことで。
[彼らはキーボードを叩き始める。スクリーンに「REAR-3 α build」が立ち上がる。]
[放課後の体育館。床を滑る音、鈴の入ったボールの澄んだ音。三人は全員後衛の布陣でレシーブ練習を繰り返す。]
三郎(M):(息を整えつつ) いまの一球、左右の死角をふたりで保険かけて拾えたな。AIでも同じことできる?
次郎(M):(ひらめいて) できる。受信ストリームを二重化して、それぞれ別のノイズモデルで推定、合意が取れないときだけ再取得。二重レシーブだ。
太郎(M):(うなずいて) しかも、遅延を嫌うなら先読みで位置取りする――予測バッファだ。ボールが来る前に床を読む。モデルならコンテキストを読む。
三郎(M):(笑って) 後衛はね、点を決めない代わりに、決め手を何回でも創る。REAR-3も、決め手を創るAIにしよう。
[ボールが鋭く飛ぶ。三人が滑り込み、一本で上げる。]
太郎(M):(気合いを込めて) その感覚、全部コードに落とす。ミスは全部教えてくれるデータだ。
次郎(M):(端的に) 帰ったらパイプラインを改修、冗長経路とエラー観測を増やす。
三郎(M):(明るく) デプロイ後も拾い続ける設計――まさに全員後衛。
[学内デモデーのホール。ブースには「REAR-3」のロゴ。大画面にはリアルタイムで多様な入力を受けるデモ。]
太郎(M):(落ち着いて) どんな現場でも取りこぼさない。REAR-3は、世界中の人の「うっかり」を補う後衛です。
次郎(M):(明快に) 冗長受信、動的合意、自己修復。この三つの守備で、障害率を桁違いに下げます。
三郎(M):(朗らかに) 触ってみてください。荒れた音声でも、方言でも、手書きでも、ちゃんと届きます。
[企業担当者が次々と足を止める。モニターには導入先のリストが増えていく。]
投資家(M):(感心して) 「守る」設計でここまで滑らかな体験は珍しい。世界を取れる。
太郎(M):(引き締めて) 世界に出ます。アクセシビリティと倫理審査は最優先で通します。誰も取り残さない後衛で。
次郎(M):(実務的に) データ連携の標準化も提案済み。相互運用でロックインに頼らない強さを見せます。
三郎(M):(熱く) 走りながら拾い続ける――それが僕らの勝ち筋。ローンチ、いきます!
[歓声。配信画面の同時接続が跳ね上がる。世界各地の言語で「つながった」のメッセージが流れる。]
[数年後。国際会議場。巨大なスクリーンに「REAR-3 Global Share 89.7%」の数字。別カットで、三人はチャリティのフロアバレーボールイベントに参加している。]
記者(F):(驚きを含んで) 世界の生活と産業の基盤になりましたね。独占的と言われる規模です。どう捉えていますか?
太郎(M):(真摯に) 重みは理解しています。だからこそ、後衛の哲学を貫く。誰かが落とす前に支え、誰かが困る前に届く。公平なAPIと監査可能性で、信頼を守ります。
次郎(M):(端的に) 標準は、開くから標準。相互接続を拒まないことが、長期の強さになります。
三郎(M):(柔らかく) そして、僕らはプレーをやめない。現場に行き、床に手をつく。世界中の「拾えなかった」をゼロにするまで。
[ボールが観客席にこぼれる。三人が同時に走り、自然に役割が分かれて一本で上げる。拍手。]
太郎(M):(感慨深く) 全員後衛で、世界を支える。夢は叶った。でもこれは、いつまでも続ける守備だ。
次郎(M):(穏やかに) 今日もシステムは落ちない。落ちても、必ず上げる。
三郎(M):(晴れやかに) さあ、次の一球。僕らのAIが、必ず受ける。
[スクリーンに「REAR-3:届ける、何度でも。」のコピー。会場は静かな拍手に包まれる。]
モニターの夜に白板は星座 ノイズの海で息を合わせる三つの影
全員後衛の哲学 拾い続ける誓い REAR-3と名づけた祈り
鈴の音が床を走り 先に読む予測バッファ 遅延を置き去りに
二重のレシーブ 冗長受信 動的合意が揃うまで何度でも
ミスは先生 データが導く 自己修復は胸の鼓動
触れてください 荒れた声も方言も手書きも ちゃんと届くから
守る設計で攻めていく 誰も取り残さない道を
公平なAPI 標準は開くから標準だ 相互運用が背を支える
世界が寄りかかっても 床に手をつく習慣は変えない
走りながら拾い続ける 落ちても必ず上げる
監査可能性が灯す信頼 世界の基盤になっても後衛で
届ける 何度でも REAR-3 次の一球を受けに行く