できれば作らずに生活したかった銀行口座.でも9ヶ月という短い期間でも必要なのです. 2005.8.22更新 CITIBANKとSparKasseの利用に関して追加 {{outline}} !!!プロローグ 準備に関するレポートでも書いたが,最近の在外研究員(という名前ではなくなったが)の方の多くはCITIBANKに国内で入金し,現地で口座を開いてからそちらに移動させるか,国内に残っている家族に海外送金で送るか,という手順を踏むようである.渡独前に何人かの経験者に尋ねたところ,ある人は「開設は現地の知人や学生に手伝ってもらったので簡単だったが,閉じるのが面倒だった.帰国前には閉じられないから,残金送付にてこずった」と言い,ある人は「開設にはとても苦労したが,閉じるのは中身を空にするだけなので楽だった」と言う.(後者の方は帰国後,再び仕事で訪れて閉めたそうです.)いずれにせよ面倒そうな雰囲気は否めない. !!!口座なしでは暮らせない? このような「面倒そう」オーラと,9ヶ月という微妙な期間なこともあって,なんとか口座なしで生活できないかと考えてみた.現地でお金をもらう機会はないので,払うだけなら窓口での直接振り込みとクレジットカードでなんとかならないかと思ったのだが… *家賃:大家さんが1階に住んでいることもあって,期日にはそこまで厳しくはない.窓口での現金振込みでOK.しかも振込み先である[BBBank|http://www.bbbank.de/]は大学の目の前にあるので月1回立ち寄るのは苦ではない. *水道代:これも大家さんにまとめて払うので問題ない. *電話代:[Telekom|http://www.telekom3.de/]で最初に尋ねたお姉さんは「クレジットカード払いでOK」と言っていたのに,契約時にダメだということが判明. *電気代:これが曲者.てっきり消費量に応じて請求書(や領収書)が来るものだと思っていたら,月額60ユーロ(と年額基本料金約80ユーロ)を1年支払い,後で清算する仕組み. というわけで,電話と電気のために口座無し生活は断念. !!!銀行選び さて,口座を作ると決めたら次は銀行選び.CITIBANKの[カールスルーエ支店|http://www.citibank.com/locations/eu/de/de/stuttgart/karlsruhe.htm]がMarktplatzにあるので,現金引き出しはここで行なっている.よってCITIBANKの現地口座を作れば,入金は建物内でできるので安全だし手数料がかからずに済む.一方,家賃の振込み先と同じBBBankにすれば,振込み手数料がかからずに済む.入金は一気にCITIBANKから行なうこともできるし,ちまちま小額を入れてもいいかな…などと通勤途中にぼーっと考えていたら,トラムの窓からBBの看板が数回見えるのに気づいた. CITIBANKの窓口は生活圏内ではひとつしかない.やはり地元に窓口の多い銀行の方が何かと便利そうだ,CITIBANKに作ったからと言って帰国後に便利なわけではないし,と思ってこの時点ではBBに作るつもりで窓口に出かけたのだった. !!!門前払い !![BBBank|http://www.bbbank.de/] ひと月以上かかってようやく取得できたビザ付パスポートや住民登録票の写し,ひとまず入金する現金などを持って窓口へ.なるべく優しそうな(?)人を選んで「口座を作りたいのですが」と切り出す.しかし返ってきた返事は「残念ながら作れません」.なんとビザの期間が「too short」なのだと言う.「最低1年はないと」とその人は言うので,「他に作れる銀行はないのか」と聞くと,隣の行員が「[VolksBank|http://www.volksbank-karlsruhe.de/]なら作れる」と答えてくれた.なるほど名前からしても融通が利きそうな銀行だ. !!CITIBANK BBBankでダメなら一応CITIBANKにも聞いてみよう,と思ってVolksBankの前に立ち寄ってみた…が,やはりダメ.冷たく言い放たれてしまった. !![VolksBank|http://www.volksbank-karlsruhe.de/] 自宅の近くにも窓口があるし,Rhainstettenの役場の傍にもあったし,と利点を思い出しながらMarktplatzの[VolksBank|http://www.volksbank-karlsruhe.de/]窓口へ.しかし…そこで言われたのは,同じ返事.ガ〜〜〜〜ン. 「9ヶ月のビザで口座が作れるか」の切り出し方がマズかったのかもしれない…などと反省しながら失意の中SZSへ戻る.大学でもそうだったが,カードが絡むと「たらい回しにされる運命」のようだ. !!!受け入れてくれる銀行は? !!頼みの綱の[SparKasse|http://www.sparkasse.de/] ドイツのシステムが口座を求めているのにドイツのシステムが口座開設を許さないとは.などと嘆きながらSZSでコトの顛末を話すと,[SparKasse|http://www.sparkasse.de/]はどうか,と提案された.電話で聞いてみてくれると言う.しばらくして「OK, you can make your bank account without 1 year VISA.」との連絡が. !!手続き 憤慨と弱気が入り混じった妙な心境で窓口へ.「英語でお願い」と言うと別の窓口を紹介されたが,手続きは至ってスムースに進んだ.パスポートを渡し,いくつか質問に答えて,3〜4箇所サインしてはい終わり,である.この時点で入金する必要はないが,口座維持手数料が年間5ユーロかかること,2週間以内にカードとPINコードが郵送されることを言われた.それから口座番号の書かれたメモをもらった. 入金しなくていい,と言われても,用意した現金を持ち歩くのは嫌なので,Kasse窓口で入金.きっと最初にSparKasseに来ていたら,何の問題もなかったんだろうが勉強になった. !!!口座開設についての結論 1年以内の滞在では,口座開設に難色を示す銀行が多いようだ.(少なくともカールスルーエでは.ということは結局,3ヶ月だけ有効のシェンゲンビザでは作れないことになるのか?)ドイツ語での交渉力があればなんとかなるのかもしれないが,私のような1年未満の期間の場合,窓口に出向く前に現地の知人に確認してもらうのがよいだろう. また,日本のパスポートを見せる時,役場でも銀行でも,「出生地」が書かれていないので聞かれることが多い.(特に私の場合パスポートにある「本籍」は出生地と関係ないので)それから発行地も書かれていないので尋ねられる時がある.日本のパスポートは「外務省発行」としか書かれていないのだ.今考えると,パスポートと一緒に, *Geburtsort 出生地 *Geburtsdatum 誕生日 *Wohnung 住所 などをプリントアウトしたものを持って行くのが良いと思う. 勿論パスポートは英語なので,名前やパスポート番号,有効期間などドイツ語で自分の情報を一覧にしたものがあると,コミュニケーションがスムースに行くだろう. !!!CITIBANKの利用〜現金引き出し 上に書いたように,滞在費を日本からドイツに移す手段としたCITIBANKを利用した.まずはここからお金を引き出さなくてはじまらない.カールスルーエのカイザー通りに面するCITIBANK(最寄トラム駅はMarktplatz)には,2つATMが設置されている.特に間仕切りのようなものはなく,奥と手前に配されており,ガラス越しに丸見えなので出来れば奥の端末を使うのが良いと思う. {{img citibank1.jpg}} カードを挿入すると,左側のメニューが現れる.嬉しいことに日本語メニューが用意されている.ここで「日本語メニュー」を選択すると,右の暗証番号入力画面になるので暗証番号を入力して「確認」を押す. {{img citibank2.jpg}} どちらをご希望ですか *現金の引き出し *預金 *お客様サービス と出てくるので,「現金の引き出し」を選択. 次に出てくる右写真の画面,どちらから現金を引き出しますか,の問いには「チェッキングから」を選択. {{img citibank3.jpg}} いくらご入用ですか,の画面には,25,50,100,150,200,250,300,500の選択肢が並ぶ.最大一度に500ユーロまでしか引き出せないことに注意.しかもその500ユーロには後述のように当然小額紙幣が混ざる.とりあえずこの例では500を選択.すると右の写真のように500ユーロを円換算した値が出てくる.この時点で,あまりレートがよくない場合はとりやめる.この時のレートは72000円代で,かなり悪い部類に入るのだが(良い時は68000円代)レポートのために先へ進む(涙)「はい」を選択. {{img citibank4.jpg}} 左の方のスロットから紙幣が出てくる.素早く脇にある紙封筒にしまう.次画面は残高確認と他にすることがあるかの確認.連続して引き出す場合は「はい」,終わる場合は「いいえ」を選択.ここでは「いいえ」を選択して終わる. {{img citibank5.jpg}} 最後に控えを出力するかを聞いてくる.「はい」を選択するとドットプリンタが中でチーチー音を出してプリントアウトを始める.最後にこの控えと,大事なカードを引き抜いておしまい. 出てくる紙幣は,500ユーロの場合は一般的に50ユーロが8枚=400ユーロ,残りの100ユーロが5,10,20の組み合わせとなる.小額紙幣の組み合わせはATMの状態によって変化するようだ. !!!SparKasseの利用〜自動振込,手動振込 SparKasseカールスルーエ支店は,CITIBANKと同じくMarktplatz周辺,ピラミッドのある広場の西側に位置する.Sparkasseから届いたカードは即時決済にも対応する金属端子付のものだが,実際にはあまり使わず,上記のように主に電話代と電気代の自動振込に利用した.このカールスルーエ支店へは,残高の確認とプリントアウト,手動での振り込み,預金などの時に足を向ける. {{img sparkasse1.jpg}} CITIBANKもそうだが,入り口にカードを挿入する部分があり,営業時間外にはここにカードを挿入してドアロックを解除する.左のグリーンのLEDは「Freigabe:開錠」右のオレンジのLEDは「Betrieb:稼動中」であり,オレンジが光っている時にカードを入れて,グリーンが点灯したら開けてよい,という意味だ(..と思う.実はあまり時間外に使ったことがないのでよく見ていない...) {{img sparkasse2.jpg}} 入ると左に上記左写真のような端末がある.これは振込作業用のもので,フルキーがついている.あまり人が並んでいることがなく,残高も照会できるので,この端末を使うことが多い.右写真は,プリンタ(Drucker)付の端末で,こちらにカードを入れると通帳代わりの入出金記録をプリントアウトしてくれる.カードの挿入方向に注意する.一応「磁気テープ面を上に」という絵が添えられているのだが,ちょっと気づきにくい. ちなみにSparKasseは上記のように口座維持手数料が5ユーロかかるが,更に通帳代わりの記録の郵送費0.55ユーロも,自分の口座から引かれる. ---- [[カールスルーエ滞在記TOP|./wiki.cgi]] [[Home|../]]