SZS内部に設置されている点字プリンタやコンピュータの状況など,設備に関するレポート. 2005.4.15 更新 {{outline}} !!!点字プリンタ {{img tiger.jpg}} SZSの点字プリンタは,Angelikaさんの部屋に2台ある.一台は細かいグラフィック出力に対応したアメリカ[viewplus社|http://www.viewplus.com/]製のTigerである(上の写真).もう一台はスウェーデン[IndexBraille社|http://www.braille.se/index.htm]のテキスト用のプリンターである.テキスト用の方は音がうるさいので彼女がいない時にプリントアウトする,ということであり,双方ともネットワークプリンタとして他の部屋からプリントアウトが可能となっている. 訪れた時期は12月なので,丁度点字とグラフィックエンボスの混ざったクリスマスカードをTigerを使って作っていた.Christoff君はマクロメディアのドローイングソフトを使っていたのだが,フォントをTiger用に設定したものを送り込むと,ワードファイルでも何でも受け入れるとのことだった.どちらかというと立体コピーが主流である技短とは異なり,図は主に(というか全部)Tigerで出しているようだ. !!!ライセンス管理など {{img license.jpg}} Michael氏の部屋に各部屋でどのPCに何がインストールされているのか壁に大きく貼ってある.これはある種デモンストレーションなのかもしれないが,外向けにも内向けにも有効な方法であろう.ただし広い壁が必要ではある. !!!学生用の部屋 SZSは,学内の一角の建物内の1フロアにある.フロアは,Vollmar教授以外の各スタッフに割り当てられた個室6つと,ミーティング用のキッチン付の部屋,トイレ2つ,そして学生用に作られた部屋から構成されている.この学生用の部屋にはPCがいくつか設置され,視覚障害学生はもとより,彼らを支援するHiwisと呼ばれる晴眼学生も利用し,点訳作業などを行なう. !!弱視用PC {{img pc1.jpg}} 拡大読書器が隣に設置されているこのPCは,液晶の奥(裏側)に別の拡大読書器機構が組み込まれている.これはPCの画面と合成して出すもので,液晶の奥にモーターとベルトでCCDカメラが動く装置が設置されている.写真左側のコントローラーで,CCDカメラの位置やズームを制御する.本を動かすのではなくて,カメラをモーターで動かすのである.また,このPCには,ZoomTextLevel2のバージョン7がインストールされていた. !!点字ディスプレイ付PC {{img pc2.jpg}} 点字ディスプレイ付のPCは2台用意されており,それぞれ80桁レベルの大きなディスプレイを備えている.そのうちひとつは,写真にあるようなカーソル移動インタフェースを持っており,使いやすそうだった.親指のかかる位置(ピンディス筐体の手前部分)が80桁分全てひとつのスイッチのような感じで,それが上下左右に動く.上下には回転する感じである.手に触れる部分は丸いゴムが40個程度並んでついており,滑らないようになっている. カーソルが動く様子(833kB):{{ref pc2.avi}} このPCには,EPSONのスキャナがついており,点訳作業によくHiwisの学生が使っている. !!!COLOR TEST {{img colortest.jpg}} SZSの設備ではないが,2月1日,Gerhard氏が個人所有の色識別機「COLOR TEST」を見せてくれた.オーストリア製で,3段階の明るさなど,様々な色をしゃべってくれる.(が,その場で試したところあまり精度はよくなさそうだった)面白いのは,サイコロとか時計とか,アラームとかゲーム(ビンゴのようなもの,と言っていた)が備わっていること.このあたりが日本の製品の学ぶべきところか. !!!携帯電話 {{img mobile.jpg}} またまたSZSの設備ではないが,2月7日,Gerhard氏が個人所有のノキア端末を見せてくれた.こちらはいわゆるスマートフォンが主流で,OSのインストールなどもユーザが行なうことができる.「スクリーンリーダをインストールする」といった表現も聞かれる.日本はこの冬(2004年末)に初のスマートフォン端末がVodafoneから出たばかり.早速ウイルス感染のニュースなども聞かれたが,ドイツでは携帯はよりPC寄りな機器である.といいつつ,ネットアクセスはせずにショートメッセージメインの利用ではあるが. 携帯のスクリーンリーダがしゃべる様子(540kB):{{ref mobile.wmv}} ↑ちなみにキーエコーは切ってあるとのこと. !!!視覚障害者用PDA {{img vario.jpg}}{{img vario_bk.jpg}} だんだんGerhard氏の持ち物博覧会のようになってきてしまっているが(-_-;;),写真は[Baum|http://www.baum.de/]のピンディス(点字ディスプレイ)Varioと6点入力PDA[Paddy|http://www.baum.de/de/produkte/paddy.php]とを組み合わせた様子.右はその接続部分.勿論このピンディスは他のPCとも接続できる汎用的なもので,上に乗っかっている方は独立して音声フィードバックのみのPDAとして利用できる. SZSでは,毎週月曜にミーティングを開いているが,Gerhard氏はこのPDAでメモをとったり話す内容を引き出したりしている. ---- [[カールスルーエ滞在記TOP|./wiki.cgi]] [[Home|../]]