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鉄道に関するレポート

交通に関するレポートに含ませるには内容が多くなりそうなので別ページとして作成.車なし生活には,トラムと並んで鉄道はなくてはならない交通機関.基本的に私は"鉄っちゃん"ではないので,誤った表記が多いでしょうがご了承ください.

2005.8.15更新

Bahncardについて

概要

鉄道を少しでも利用するドイツ人は皆持っているといわれるBahncard.このカードを持っていると,基本的に長距離の切符が割引になる.滞在時期の2004年末〜2005年夏の時期には,Bahncard25,50,100という種類が1等,2等別にあった.このカードは,本人と同行するメンバーも全て同じ割引特典を受けられる.また,通常6歳未満の子供までしか無料にならないのだが,6歳以上の,子供料金を払わなくてはいけない子供も同行の場合無料になる.100km程度の移動を家族ですると,すぐにもとが取れる計算になるのだ.

購入手続き

とりあえず,25%割引になるBahncard25-2nd classを購入(後日,50にすればよかったと少し後悔).顔写真とパスポートを持ってカールスルーエ駅の窓口に行き,50ユーロ払って作成.その場で仮カードを発行してくれ,2週間後までにはホンモノが届くと言われた.Bahncardの有効期限は1年間で,本来は契約は自動更新となる.つまり,自分で「もうやめますよ」と言わない限り費用を払わされるというわけだ.クレジットカードと似たようなものなのだが,1年以内の滞在の場合,これは困る.渡独当初は,これがネックとなってカード申請を躊躇していたのだが,実際は全く問題はなかった.

というのも,申請時点で「1年後には解約します」という手紙をDBの担当者が書いて郵送してくれたからだ.更に,送付先住所を聞く時点で「ホテル?」と言われたことからも,数週間のホテル滞在などでも対応してくれそうな雰囲気を感じた.2〜3週間の滞在であっても,どこかを基点にあちこち鉄道で移動するような旅をする人には便利かもしれない.

そして笑えることに「1年後の解約の申請,確かに受理しました」という旨の手紙が,カードが届くより先に送られてきた.勿論カード本体も,2週間後にはちゃんと送られてきたが.

インターネット経由の予約について

利用するには

DBのサイトはよく出来ていて,オンラインでの予約が可能だ.切符は自分でプリントアウトし,持参するだけでOK.長蛇の列の窓口に並ばなくて済むのでかなり便利だ.そのためには,まずユーザー登録が必要.クレジットカードも必要だ.このユーザー情報についても,Bahncard同様解約の心配があったが,実際には「180日以上利用しなければ自動消滅する」との記述があり,真偽の程は不明?だが,とりあえず安心ではある.

ユーザー登録が済めば,使い方は至って簡単.出発駅と到着駅,出発時間or到着時間を入力してAdvanced searchをクリック.割引情報や同行者情報を入れてSearchすれば,行程の候補が示される.乗り継ぎ時間に不安があれば,何分以上,という指定もできる.

利用する行程が決まったところで購入リンクをクリック.右にプリンタアイコンが出ていればオンラインチケットが購入できる.ここが郵便局マーク(ラッパのマーク.正露丸ではない.)の場合は残念ながらオンラインでプリントアウトは不可.郵送依頼のみとなる.

その後ユーザー認証を経て,進んでいくと最後にPDFが表示される.これをプリントアウトすれば予約終了.下はそのチケットの一例.右上に2次元バーコードが配置されているのが分かる.

注意するのは,そのプリントアウト切符はもちろん,登録してあるクレジットカードとBahncardを忘れないようにすることである.

不便な点

強いて言えば,同行人数が本人を含めて最大5名までしか設定できない点が少々不便.また,来客を空港まで送るとか,迎えに行くとかの場合,往復で人数が変化するが,そういうケースには対応できないようだ(やり方を知っている方教えてください).つまり,行きは3人で帰りは1人,という場合,本来なら帰って来る1名には往復割引が効いたりするはずのところ,別に購入しなくてはいけないという意味である.

駅について

少ない各種情報

基本的に,路線図というものはドイツの駅にはない.日本では小さい駅でも壁に路線図が示されているものだが,ドイツは大きな駅でもない.これが結構不便である.あるのは発車する電車の番号とホーム,時間の情報だけである.そして駅名を探すのも苦労したりする.駅の正面に「○○駅」と必ず書かれている日本とは対照的に,駅正面には何も書かれていないことの方が多いと思う.上の写真はカールスルーエ中央駅の正面.どこにも「Karlsruhe」の文字はない.流石にホームに上がると1つは看板があるが,日本ほどあちこちに書かれてはいないし,当然前後の駅名なども記されてはいない.行き止まり式のホームなら分からないでもないが,そういう親切な情報は本当に少ない.後述する車内の情報も少ないのだが,如何に日本の鉄道に現場情報が多いかを実感させられる.

切符購入窓口について

近距離なら自動券売機で済むし,遠距離でもインターネットで購入できるのであまり窓口には行かないが,少々複雑な買い方をする場合などは窓口に行く.この窓口が,連日行列なので注意しなくてはいけない.一応「当日受付窓口」が端(10番か1番か)に用意されていたりするが,前もって買うのが基本なようだ.時間的には,平日の朝イチに行くのがベストである.時間帯を間違えると,20人くらい並んでいても,特に窓口係員が増えるということもなく,1時間くらい平気で待たされる.また,カールスルーエ駅の場合,構内に入ってすぐの「Service」は,情報収集やDBグッズの販売だけで切符購入はできない.

低いホーム

ドイツの駅のホームは低い.もし不幸にして落ちてしまっても,大人ならば軽く自力で這い上がれる.これは言い換えると,車両の床面とホームの床面が等しくないことを意味する.日本はホームが高い代わりに車両の床と同じ高さだ.一方ドイツはホームが低い代わりに乗る時にはドアの階段を数段上らなくてはいけない.

ホーム番号

駅によっては,とんでもないところにホームがあったりする.9番線,とあるのでてっきり9列並んでいる駅を想定していると,100〜200m離れた全く別の交差する線路のホームだったりする.また,「○番南」といった表記(9suedとか)の場合もある.これは同じホームに2台車両が入っている場合などで,その駅が始発で片方の方向にしか移動しない場合などである.2台車両が入っていなくても,長いホームのどちらかに偏って車両が止まる場合もこのような「南」「北」という表記がなされているようだ.

ホームにおける停車位置情報

ICEの場合,「何号車がどのあたりに止まるか」という情報がパネルでホームに掲示されている.横軸がホームの位置を示すアルファベット,縦軸が各ICE便で,上から下へ時間順に書いてある.席を予約した場合,何号車かチェックして,その列車の止まる「だいたいの位置」に移動しておく.一番上に「Standort」とかかれた丸いシールがそのパネルの置いてある現在位置である.

キオスク

中規模以上の駅には,ちゃんとパン屋やカフェなどがある.(ただし,日曜日に開いているかどうかは,その駅の規模によると思われるので,日曜に移動する場合には注意が必要かもしれない.)さて,そのキオスクで買ったジュースなどは,容器にプファンド(デポジット)がついていることが多いので,飲み終わったペットボトルはゴミ箱に捨てずに店に持っていく.買った駅と戻す駅が違う場合,受け付けてもらえないこともあるが,コー○やファ○タなど一般的な飲料の場合はだいたいOKだ.

電車の遅れと時計

はっきり言って10分や15分の遅れは日常茶飯事.「ca 15 min spaeter」などとホームの表示に出る(caはシルカ,だいたい,の意味.「知るか!」とも読める).赤い字でホームの天井からつるされた掲示に出るので,この表現は覚えておいた方がよい.日本と比較すると,本当によく遅れる.流石にICEが30分遅れた(しかも空港行き!)時には少々あきれた.また,DBのホームにある時計は動きが独特だ.秒針が12のところでしばらく停止して,「ガッタン」と分針が動いてからまた秒を刻み始める.1周57秒程度でまわっているため,秒針が指す位置は若干不正確である.まぁ電車自体が時間通りに来ないので,ホームの時計,それも秒針が正確である必要はまったくない.

秒針の動きと分針の動きの例(約2MB)ちょっとサイズが大きいけれど知らない人は必見.:clock.avi(654)

その他

見る度にどうしても笑ってしまう転落注意の看板.いや,笑ってはいけないのだが.

車両について

まずはお約束?のICE動画(約1MB):ice.avi(748)

手動ドア

降りる際,乗る際にドアを開けるボタンを押さなくてはならないことは有名.ICEやICの場合,緑のボタンが開くボタン,赤のボタンが閉まるボタン.Tuer aufと書かれている方が開くボタンだ.古い車両は三角形のピクトグラムが書いていない場合もあるので,悩む時があるかもしれない.REなどの鈍行列車はドアノブ状のレバーが開くボタンで,押しボタンが閉まるボタンなことがある.ドイツ人でもよく分かっていないらしく,必死に押しボタンを押して開けようとしている人がたまにいる.というわけで,鉄道初心者は,誰か他の人の後ろにつくのがベター.また,「右側から降ります」とアナウンスがあったにも関わらず,着いてみたら左側だった,ということもしばしば.かなりいい加減である.

やはり路線図はない

駅構内にも路線図はなく,勿論車両内にもそういった情報はほとんどない.ICE,ICの場合にはその車両専用のパンフレットが置いてあり,それを読むと各駅に停まる時刻,出発する時刻,その駅での乗り換え案内などの情報がある.しかし,しかしだ.このパンフレット,始発時に「発車してから」乗務員が適当に配る.なので,運が悪いと自分の席にはないことがある.そしてRE系鈍行列車にはそういったパンフレットもなく,路線図もなく,ひどいときにはアナウンスもないので,不安な人は事前にインターネット等で情報を集めておくことが不可欠である.

ピクトグラム

赤いマルは禁止を表す.斜線が入ると更に厳しい禁止を表す,というのがドイツ表記ルール.どうも斜線が入っていないと許可のような気がする日本人は,窓からビンを捨てていいような気になってしまうが当然禁止のマークである.同様なことは交通標識にもいえる.バイクや自動車が赤いマルで囲われていた場合,その車両は進入禁止なのだ.

ICEの設備

ICEには電源コンセントが常備されている.壁面に分かりやすく設置されているが,各席の間にも用意されている(車両によるかもしれない).また,席の間にあるヘッドフォンジャックは車内放送.クラッシックから子供番組まで幅広く放送されているので,ヘッドフォンだけ持参すれば楽しむことができる.また,当然ICEなどの車両の席はリクライニングができるが,背面と同時に座面も動くタイプなので,自動車のリクライニング方式だと思っていると,違うコツがいる.うちのカミさんは最初のうちリクライニングを戻せなくて苦労していた.

ICEの予約席について

ICEは日本の新幹線のように予約車両と自由席車両が分かれているわけではなく,席毎に予約が決まっている.予約が入っている席は,上の写真のように網棚(網ではないが)部分の電光掲示板に予約区間の駅が表示されている.ここに何も表示されていなければ基本的に自由に座ってよい.もし表示されていても,該当区間でなければ座ってもよいわけだ.つまり,自分の目的地までの全区間における駅名を熟知していないと,座ってよいものか悪いものか分からないのだが,とりあえず開いていれば座って,予約者が来たら速やかに明け渡す,というのがドイツ流.逆に,予約していた席に誰かが座っていても躊躇してはいけない.「そこ,予約してます」と言うと,ちゃんとどいてくれる(はず).

しかしどうでもいいことだが,写真のピクトグラム,鼻に指を入れているみたいに見えるなぁ...

ICEの車椅子乗車

前述のように,ホームの高さが低い代わりに,こちらの電車に乗るには数段階段を上らなくてはいけない.それでは車椅子利用のお客さんはどうするか.答えはスロープが用意される,である.残念ながら利用後の写真だが,駅員さんが片付けて向こうに運んでいるのがそのスロープである.

知っておいたら便利だと思われる単語

窓口で切符を買うともらう書類に書いてあるReiseverbindungen,は「Reise:旅行」の「verbindung:接続」を意味する.最初これをぱっと見ると,「リザーブ?」と読めてしまうので,席の予約情報かと思うが,なんのことはない,旅程表である.

「von=from」「nach=to」は基本.「Gleis」はホーム番号を意味し,発音は「ぐらいす」.切符に書かれた「Erwachsen(e)」は「大人」である.


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