2. 取捨選択と再構成を学ぶ

2.1 取捨選択と再構成

2つめは、一般企業の上司に観察された「羅列的・反復的な伝え方」です。
特例子会社でも、「論理的説明と要約が苦手」として観察されていました。
当事者はストリング(紐)式の情報処理なので、大事だと思うことほど言語量が増えるし、誤解を防ぐために違う角度から再説明したいからです。

このスキルは、2つの下位スキルで構成されています。
1つめは、何十行の中から、テーマに関連する部分を取捨選択(スキャン)するスキルです。
2つめは、選んだ部分を、目的に即して再構成するスキルです。
当事者は、記憶に頼りながら話したり書いたりするため、重複や冗長表現は免れません。

2.2 教材

エクセルの役立つ点は、位置イメージの手掛かりがあることです。
前回の練習は、暗闇の中に、下に行くほど視点の広がる棚があり、そこに置いてある棚のラベルをイメージすることで、➀棚に置ける具体的な視点のラベルが無いか横方向で検討し、思いついたら、②置いたラベルを忘れることなく、今度は縦方向で比較することができました。

今回は、自分が担当している業務フローの一部を、晴眼者の同僚に代替してもらうことを上司に提案する伝え方を学びましょう。
縦に積み上がっている棚のラベルを上下に触りながら往復するイメージで、どれが重要か、判断していきます。
評価の軸は、結論はどの棚か?関連性があるのはどの棚か?です。
そして順番を付けます。

最初に自分が思いつくままに伝える語りを言語化・記録します。
終わってから、各がどのような意味を持つのか要約します。
次に、結論の文章を探し、結論に関連する論点理由の文章を選びラベル付けします。
関連しない文章は捨て、有効な順番で再構成(例:論点→結論→理由、箇条書き、起承転結など)します。

以下の表2.1は、シミュレーション結果の例です。
表2.1の各列のタイトルは、番号文章要約ラベル順番です。

表 2.1 伝えるときの取捨選択と再構成シートの例エクセルシートへのリンク

番号 文章 要約 ラベル 順番
1 今、Aさん(晴眼者の同僚)に、財形申込書の印鑑の確認をやってもらっています。 財形申込書で、Aさんに印鑑確認依頼中 論点、理由 1, (4)
2 とても助かっていて、その都度お礼を口に出すよう心がけています。 Aさんに感謝
3 Aさんが月末とかで忙しい時は、私にできる事が無いか、声掛けもしていて、月に1回ぐらい、手伝うことがあります。 Aさんへの手伝い
4 来月から、署名欄の確認も、Aさんにやってもらいたいです。 Aさんに署名確認依頼も 結論 2
5 今はスキャンしてメールに添付してもらっていますが、拡大するので署名欄の位置がわかりづらく、署名も読みにくいからです。 署名位置等の確認困難 理由 3

表2.1のエクセルファイルの別シートに練習用の表も入っています。

再構成された文章例1(1,2,3)

財形申込書の件ですが、
来月から、Aさんに、印鑑のみならず署名欄の確認もやってもらいたいです。
理由は、今はスキャンしてメールに添付してもらっていますが、拡大するので署名欄の位置がわかりづらく、署名も読みにくいからです。

再構成された文章例2(1,2,3,4)

財形申込書の件ですが、
来月から、Aさんに署名欄の確認もやってもらいたいです。
理由は、今はスキャンしてメールに添付してもらっていますが、拡大するので署名欄の位置がわかりづらく、署名も読みにくいからです。
今、Aさんに印鑑の確認はやってもらっています。