1. 視覚障害社員のスキル発達パターン(一般企業)

1.1 当事者社員から見たスキル発達

図1.1 は、一般企業における視覚障害当事者社員から見たスキルの発達過程です。

flowchart TD 仕事における困難発見 -.-> 周囲の当惑 & 就労力発達 & ストレス蓄積 周囲の当惑 ==> 周囲の低評価 & 周囲の支援力発達 就労力発達 -.-> 周囲の支援力発達 周囲の低評価 -.-> ストレス蓄積 subgraph 仕事における困難発見 見えづらい 手間と時間 状況把握が困難 図が使えない 情報ハンデ end subgraph 就労力発達 強みづくり 支援獲得方略 技術の発達 人間関係構築 end subgraph 周囲の支援力発達 支援環境づくり 問いかけ習慣 タスク試し end

図1.1 当事者社員(一般企業)から見たスキル発達markdownテキストへのリンク

図1.1 の上部を見て下さい。
障害者前提の特例子会社とは異なり、一般企業の当事者社員は実に多種多様な 「仕事における困難の発見」が存在しています。
これが左側の矢印で「周囲の当惑」に影響し、そのままだと「周囲の低評価」に移行するリスク要因となっています。
「周囲の低評価」の結果、「ストレス蓄積」が進んでしまいます。
これは回避したいところです。

良い状態に移行する条件は、「就労力発達」です。
「仕事における困難の発見」は「就労力発達」にも影響し、それが「周囲の支援力発達」に影響します。
そして、「周囲の当惑」から「周囲の支援力発達」に移行します。

全体的な構造、要素間の関係が把握できましたか。
以下、具体的なイメージが湧くように、いくつか具体的な語りを紹介します。

まずは、最上部のカテゴリー「仕事における困難発見」に含まれる語りです。

その下のカテゴリー「就労力発達」から、サブカテゴリー「強みづくり」と「支援獲得方略」に含まれる語りです。

その下のカテゴリー「周囲の支援力発達」から、サブカテゴリー「問いかけ習慣」「タスク試し」に含まれる語りです。

最後に、「仕事におけるの困難発見」と「周囲の低評価」から影響する「ストレス蓄積」に含まれる語りです。

1.2 上司から見たスキル発達

次は、上司を見てみましょう。
図1.2 は、上司から見たスキルの発達過程です。
ここでは、薄ピンク色(RGB=fcf)で示されている概念「上司の雇用観」と「上司の当事者社員への能力観」は、当事者社員が観測できないことを表します。

flowchart TD 当事者社員の問題行動 -.-> 上司の雇用観 -.-> 上司の管理方略 -.-> 当事者社員のスキルの発揮 -.-> 上司の当事者社員への能力観 -.-> 上司の雇用観 当事者社員の強みの発揮 -.-> 上司の当事者社員への能力観 subgraph 上司の雇用観 style 上司の雇用観 fill:#fcf 正社員と同一視 ==> 上司の交代 正社員と同一視 ==> 契約の変更 end subgraph 上司の管理方略 指導と助言 環境配慮 end subgraph 当事者社員のスキルの発揮 PCスキル 社会的スキル 概念的処理スキル end subgraph 当事者社員の問題行動 引け目と反動 職場の厄介者 end subgraph 上司の当事者社員への能力観 style 上司の当事者社員への能力観 fill:#fcf end

図1.2 上司(一般企業)から見たスキル発達markdownテキストへのリンク

図1.2 の上部に、当事者社員の観測不能な「上司の雇用観(視覚障害者のスタッフを管理するとはどんなことか)」があります。
そこでは、一般企業なので「正社員と同一視」の段階から始まりますが、状況によっては「上司の交代」または「契約の変更」に移行する可能性があります。

「上司の雇用観」は「上司の管理方略」に影響を与えます。

「上司の管理方略」は「当事者社員のスキルの発揮」に影響を与えます。

「当事者社員のスキルの発揮」と「当事者社員の強みの発揮」は、当事者社員の観測不能な「上司の当事者社員への能力観」に影響を与えます。

そして、この能力観と、上司から見た「当事者社員の問題行動」は、「上司の雇用観」に影響を与えます。
循環的な関係ですね。

次に、各概念に関係する上司の語りを紹介します。

まず、図1.2 最上部の「当事者社員の問題行動」のうち「職場の厄介者」に含まれる語り「不適応と不調」です。

次に、「当事者社員の問題行動」と「上司の能力観」が影響を及ぼす「上司の雇用観」のうち、「正社員と同一視」に含まれる語り「公平な評価基準」です。

左側の「当事者社員の強みの発揮」に含まれる語り「聴覚で状況把握」です。

最後に最下部にあるカテゴリー「上司の当事者社員への能力観」に含まれる語り「タスク可能性」と「全社的視点」を示す語りを紹介します。

1.3 出典: