
SZKIT(Synchronized Key points Indication Tool)は、マウスカーソル脇に説明文・左右クリック・特殊キーの押し下げをアイコン表示するツールです。
研究の背景
ある日、共同研究者の鈴木拓弥先生から相談が持ち掛けられました。鈴木先生は聴覚障害学生の学ぶ本学の総合デザイン学科でAdobeのIllustratorやPhotoshopなどの使い方を教える授業を担当しています。その際、音声で内容を伝えることができないために苦労されているということでした。
例えば聞こえている健聴学生であれば、「ここでShiftを押しながらドラッグしてください」とか「Alt+クリックです」といった音声での説明を聞きながら画面を見ることができます。しかし、音の情報がないと、画面は単にマウスカーソルが縦横無尽に動いているだけで、いつの間にか図形が出きあがっているというわけです。
支援ツール
それを解決するために、鈴木先生は「マウスカーソルの周辺に説明文の字幕が出てきてカーソルにくっついて動くツールが欲しい」と言うので作り始めました。これが本ツール作成の動機です。
その後、クリックされたボタン、ShiftやCtrl、Altといった特殊キーを表示するグラフィックなどが追加されていきました。
発表論文等
- 鈴木拓弥,若月大輔,小林真,”聴覚障害者にコンピュータ操作を視覚的に教示する支援ツールSZKITの授業理解度による評価”,電子情報通信学会HCGシンポジウム,HCG2012, pp.167-173, 2012年12月(熊本市).
- Takuya Suzuki, Daisuke Wakatsuki, Makoto Kobayashi, “Effects of SZKIT in the Designing Software Lecture for Hearing Impaired Students”, Proc. of Universal Learning Design International Conf 2013, pp.57-63, 2013(Brno)
- Makoto Kobayashi, Takuya Suzuki, Daisuke Wakatsuki,”Teaching Support Software for Hearing Impaired Students Who Study Computer Operation – SynchroniZed Key Points Indication Tool: SZKIT”, Computers Helping People with Special Needs(1), LNCS7382, Springer.pp10-17,2012.
- 鈴木拓弥,小林真,若月大輔,”聴覚障害者にコンピュータ操作を教示する支援ツールSZKITの評価”,信学技報, vol. 111, no. 472, WIT2011-76, pp. 33-38, 2012年3月.
- 鈴木拓弥,小林真,若月大輔,”聴覚障害学生向けソフトウェア操作教示ツール:SZKIT”,ヒューマンインタフェースシンポジウム2011,対話発表(優秀プレゼンテーション賞受賞)
- 鈴木拓弥,小林真,”聴覚障害学生にコンピュータ操作を教示する支援ツールSZKITの開発”,信学技報, vol. 110, no. 418, WIT2010-71, pp. 25-30, 2011年2月.
- 小林真,鈴木拓弥,”聴覚障害学生にコンピュータ操作を教示する支援ツール – SZKIT: SynchroniZed Key points Indication Tool -“,筑波技術大学テクノレポート,Vol.18,No.2,pp.35-39