先日Webでふと目にした「8020運動による成果」が気になりました。いわゆる「80歳で健康な歯を20本残そう」という有名な「運動」ですが、8020推進財団曰く、「30年前(1989~)には10%以下だった達成者が50%になった」そうです。上記リンク先ページは2016年当時のもので「2022年には60%に」といった内容が書かれています。

私はあまり歯医者さんのお世話になることがないせいか、「8020運動」なるものをまったく意識したことがありません。しかしデータからは確かに80歳周辺の20本残存者数が増えているようです。

8020推進財団のページにもいくつかグラフが掲載されていますが、厚労省のページをウロウロして関係しそうなデータを探してみました。

歯科疾患実態調査:結果の概要」にある「平成28年歯科疾患実態調査」あたりが公式データ?と言えそうです(もう少し新しいのもありそうですが)。このグラフを見ると年齢の階級値毎に見ると6~5年スパンの調査年において確実に増えているというのが分かります。一方で「5年(6年)前の若い階級の層がそのままシフトしてきた」とも読めます。平成28年の80~84歳の45%は、平成5年の60~64歳の50%弱からそんなに落ちていない、というようなことです。世代間の差が大きいのでしょうか。まさにそれこそが8020運動なのかもしれませんが、世代間による歯のケアの常識が変わってきているのか、生活様式や食生活が影響しているのか謎です。フッ素配合歯磨き粉、の影響が大きいような気もしますね。

これらのデータの取得方法も興味があるところです。6278人中3820人、6割が口腔診査受診者で、残り4割が質問用紙だそうです。受診している時点で口腔ケアへの意識が高いとも言えそうですがそうでもないんでしょうか。ついつい「視覚障害者のパソコン利用率を調べるためにインターネット調査をする」というジョークを思い出してしまいました。