小林@筑波技大/福祉工学やら支援技術やら

投稿者: M.Kobayashi (1ページ目 (7ページ中))

評価ベース

Windowsの設定を「Win+i」で開き、「評価ベース」で検索すると「アプリとブラウザーコントロール」の下にある「評価ベースの保護」という設定項目が現れます。セキュリティ設定のひとつであるこの「評価ベースの保護」、イマイチ分かりにくい表現だと感じていましたが、そんなに頻繁に開くわけでもないのでスルーしていました。

しかし昨晩子供のマシンの面倒を見ている時に久々に遭遇したので、気になっていた「英語での表現」を調べてみたところ:

Reputation-Based Protection

でした。

MSの自動翻訳サイトだと「評価ベース」と「評判ベース」が混在していますね。「評価」だと主体が何なのか気になりますが「評判」だと何というか「一般社会」「民衆」的なイメージになるような気がします。

というわけで小さなモヤモヤが少しスッキリしました。

3月盲学校訪問など

3月に何校かお邪魔させて頂きました。

群馬県立盲さんでは、小学部の生徒さんを対象にバーコードワークショップ、高等部の生徒さんを対象にpythonの出前講座を実施させて頂きました。

小学生に楽しんでもらうということで、今回バーコードについては新たに教材を作り直しました。まずはいつものように「お菓子のバーコードをスキャン」して国番号や事業者番号などについて気づいてもらって説明します。いつもはPCを人数分持って行ったりするのですが、1台に3つのバーコードスキャナをつけて順番に操作してもらうことにしました。音声出力をするので、こちらの方が色々都合が良かったようです。

続いて、立体コピーでバーの数を数えて、ガードバーの存在や1つの数字が2本で構成されていることなどを学びます。そこから巨大立体コピーで7セグメントの構成であること、8桁の場合は右側が偶数パリティで左側が奇数パリティであることなどを伝えます。13桁が12桁で構成されていることや、右のパリティの組み合わせで13桁目が表されることなどは少し難しいので今回は省略。

最後にバーコードパズルです。ここの教材を新しくして、数字とバーパターンの対応が分かるようにしてみました。…が、もう少し改良の余地がありそうです。

一方の高等部の生徒さん対象のpythonでは、一通り「情報」の科目の方でプログラミングを学んだ生徒さんということで再帰のアルゴリズムを体験するものやライブラリのインストールとその利用の体験などをして頂きました。Webカメラを用いるサンプルを動かした時の楽しそうな様子にこちらも楽しくなってしまいました。

薬指

「薬指は英語で何て言うんだっけ」ある日の朝食時の話題です。Thumb, Index finger, Middle fingerと来て薬指や小指はあまり表現したことがない。小指はpinky ringと言うからpinkyか、おっとlittleも言うみたい、などと話していましたが、当の薬指はというとRing fingerが出てきました。うーんやっぱりそれ以外の表現はないのか~、という感想。

右手の場合もRight ring fingerと出て来ました。なんだか薬指と小指はあまり重要ではないような印象…?いやいや逆に重要なのか…?とか、朝から少し考えてしまいました。

剣道でも弓道でも、左手の薬指は結構重要なポジションだった記憶がありますが、西洋ではそうでもないんでしょうかね。しかしそもそも「薬指」という名称の由来もあまり考えたことがありませんでした。調べてみるとなるほど面白いです。洋の東西を問わず精神的には重要な?ポジションだったようです。

年始は奈良へ

久々に、かなり久々に奈良を訪れました。今回奈良女子大に訪れたついでに、戻る前に春日大社や東大寺にも足を伸ばしてみました。奈良の記憶には中学の修学旅行と大学時代のツーリングくらいでしょうか。東大寺周辺は本当に中学生以来かもしれません。

現地では、駅前から春日大社~東大寺まで歩いてみました。猿沢池の脇を通り、一の鳥居を抜けるともう周囲は「森」です。ふと顔を上げると鹿と目が合います。このエリアには結構な数の鹿が存在するのに、街中にまでは歩いて出てこないのが不思議です。でも奈良女のキャンパス内にも普通に置物のように数頭座っていたので、行き来?しているんでしょうか。それはそれで不思議な光景ですけど。

奈良公園は流石観光地、御多分に漏れず外国からの来訪者で溢れかえっていました。鹿の被り物も人気なようです。写真は春日大社と全長15mの大仏様。大仏の頭の長さは5mだそうです。実に1/3の大きさですが遠いので丁度良い威圧感になっている感じです。

春日大社本殿。
東大寺の大仏様を見上げる写真。

AIスーツケース

毎年12月に研究会でお台場産総研に来ているのですが、実は日本科学未来館のAIスーツケース、まだ見たことがありませんでした。そんな中、ようやく先週ハンガリー人の知人と行く機会があったので体験することができました。

この手の「盲導犬ロボ」的なものはもう何十年も前から研究ネタにされてきているわけですが、PCの小型化やセンサの高性能化、モーターの効率化など色々な技術的な発展があって実現されているというのが第一印象です。どーんと上に乗っかったLiDARと、予想より小型のPC筐体、そしてバッテリーが入れられたケースはもちろん荷物を入れるスペースはないのですが(笑)何より驚いたのは「使っていて目立たない」ことです。

AIスーツケースの中身。
真ん中にバッテリー、右側に制御用PC,左側にハブが見える。左下は制御用の別CPUだと思われる。センサもしくはモーター用?

博物館や科学館の中でスーツケース..というより大きさ的にはキャリーケース、を持って歩くというのは実際には奇妙です。しかし、「そういう人が歩いていて」も、それほど注目は集めません。体験中も、他の来館者にじろじろ見られることはありませんでした。ロボットや犬(もしくは猫?)といった外観ではなく、あえてキャリーケースにしたセンスに改めて感動した次第です。

関連してソフトウェア的に面白かったのは、人の集団が前に居て通路が狭くなっている時には進まないことです。ひたすら待ちます。これについては目立たないことが逆効果?で、多分「白杖を持っていたらすぐにどいてくれる方々」も、気づかず通路を塞ぎ続けてしまうわけでして、どちらが良いということではないのですが小さな発見でした。


ARマーカー技術検証実施中、の看板

また、ある展示スペースにはARマーカーが貼ってあったのですが、これは独自

サーバーを立てて、マーカーに対応した音声案内をスマホアプリで提示してくれるようなシステムとのことでした。残念ながら試験運用で、その日は稼働していなかったのですが、ARマーカーを使っている理由は「遠くから識別しやすいオープンプラットフォームだから」ということです。あえてQRコードにテキスト情報やURLを入れるというようなことをしないあたりが良いですね。QRコードだと近づけないと読み取れませんが、ARマーカーなら大丈夫そうです。

SIGACI@お台場-2024

12月に入り、恒例の福祉工学ウィーク。2024年12月4日 水曜日と翌5日 木曜日にかけて行われた、お台場産総研のSIGACI(WIT共催)に参加してきました。高齢者セッションの座長を務めつつ、幹事団の先生方などいつものメンバーと顔を合わせて情報交換。水曜のお昼はこれもいつものFood truckでカレーを買って、見晴らしの良いラウンジで食べました。

今年はいつも多くの学生さんの発表をして頂いている芝浦工大の米村先生がご退職ということで、最後にお花をお渡ししました。米村先生これまで本当に有難うございます。(そして当日ご賛同&ご協力頂いた先生方にも感謝です)


エスプレッソ・アメリカーノのカプチーノ。ハートのラテアート。

研究会とはあまり関係ないのですが、比較的早めに終わった初日、夕食前の時間調整のためにテレコムセンタービルのアリーナにあるエスプレッソ・アメリカーノに関係者数名で入りました。入るというより座る、が正しそうですが。ここは電源もあるのでちょっとしたワークスペースに使えます(し、実際夕方に入っているお客さんはほぼノートPC開いてました)。そしてなんとeduroamが入る…今まで全く知りませんでした。シナモンの効いたカフェラテも美味しく、ゆっくりお仕事できました。

科学へジャンプ・イン東京2024

2024年12月1日 日曜日。富山から戻って翌日、科学へジャンプの地域版「イン東京」に参加してきました。昨年は十八番?の「バーコードワークショップ」をやらせて頂きましたが、今年は物質・材料研究機構の石井先生が行なうワークショップのお手伝いです。

テーマはQRコード。その仕組みを全部理解するのはかなり難しい対象ですが、「どれくらい汚されたら読めなくなるのか」を実験する内容でした。まず用意された15㎝四方の立体コピー版QRコードを使って、その形状や位置決めコードなどについて観察・触察します。このQRコードは金属の板にネオジム磁石で貼り付けられています。そしてPCを起動して、バーコードスキャナで読み込み中身を確認します。

次にその立体QRコード上に1cm角や1×2cmの磁石の板を置いて「汚して」行きます。ここで「まとまった領域を隠す場合、かなり耐性がある」とか、「縦方向や横方向など決まった向きに汚しても耐性が高い」などを試して実感してもらいます。途中、読み取り用のレーザーの性質を説明するためにパラメトリックスピーカーを使った反射の実験なども交えながら、位置決めコード(マーカー)のひとつを縦横斜めに読み取れなくすると少ない汚れでも読めなくなることなどを試します。

事前にメールや対面で石井先生と何度かやりとりさせて頂き、準備した本ワークショップ、参加してくれた生徒さんたちの積極性にも助けられて大変盛り上がりました。

黒部市吉田科学館特別展

2004年11月30日 土曜日、雨の富山に出向いて黒部市吉田科学館の特別展「さわる宇宙展」を訪れ、嶺重先生の講演会に参加してきました。当日少し早く着いたのでプラネタリウムも堪能することに。ドラえもんの「宇宙の模型」を鑑賞したのですが、なかなかよく出来ていて、全天周を上手に使ったコンテンツでした。

吉田科学館外観。曇り空。

特別展では主に学芸員の野寺さんが作成された3Dモデルが展示されていました。ロケットや惑星などが並ぶ中、なかなか興味深かったのは「リンゴの重さを比較して、太陽系の惑星の重力を感じる」という展示です。同じ大きさのリンゴの模型が並べられていたのですが、重さのコントロールは単純に密度を変えただけという話が面白かったです。「普通に充填して作ってみたら300グラムくらいになったので、それを基準にして単純にパーセンテージで指定した」ということで、厳密には表面の分とか誤差は出ますが、ほぼ希望通りの重さになったということでした。

嶺重先生のお話のテーマは「ブラックホール」でした。大々的にニュースになった「ブラックホールの画像」を触知できるようにした模型が配られ、参加者へのお土産になっていました。会場には小学生が多かったこともあり、できるだけかみ砕いた説明でしたが、嶺重先生の研究生活半生のご説明の方が興味深かったという印象…(笑)。個人的には「アメリカの肉は硬かった」というフレーズが一番記憶に残っています(失礼)。

二球式プラネタリウム投影機の3Dプリンタ模型。紫色の本体。

3Dモデルに話を戻すと、プラネタリウムの「二球式プラネタリウム(投影機)」のモデルが一番楽しめました。やはり動く/動かせるものが3Dプリンタには向いているんでしょうか。隣に「古いプラネタリウム操作盤」が置いてあったのも良かったです。野寺さんによる「このつまみをひねるとココが動くんです」という説明が、模型なくしては活きてこないので、そういう意味でも「今日イチのコンテンツだ!」と感じた次第。まぁ工学屋が興味をもつネタだったこともありますが、学科の学生を連れて行っても、両方触れるので楽しいのではないかなー、と思いました。


さて、富山といえば海産物。「海老・蟹・蛸・烏賊・貝・鯖」アレルギーの自分としては結構ハードルの高い土地なのですが、せっかくなので「食べられる海産」を食べて帰りたい。魚卵や鯖以外なら食べられるので、お食事処の店頭メニューを見てみるのですが、「蟹いくら丼」「白海老マグロ丼」など私にとって「余計な一品」がついてきます…「フツーのいくら丼にして欲しい…」と呟きながら、テイクアウト系にすべく「ますのすし」を頂きました。

2024年10月振り返り

11月も半ばになるという時期に、ようやく10月振り返りです。10月は新学期の授業や運営業務に追われる秋がスタート…とはいえ気温はまぁまぁ夏でしたね。少し気になって昨年の10月のつくば市の気温とかを気象庁で調べてみたのですが、昨年も30度の日があったみたいです。しかし体感的には本当にこの10年間で日本は暑く、いや熱くなったな~と思います。

さて10月のスケジュールを改めて見返してみると、連日授業と会議で埋まっている中、イベントもいくつかありました。毎年呼んで頂いている大曽根小学校のUD講座、学園祭、ICCの報告会などなど…。月の後半に集中していました。

大曽根小UD講演

大曽根小学校の講演会、毎年6年生の総合学習の一環でお招きいただいています。私が総論をお話して、後半は学生さんたちが話します。天久保の学生さんたちは今回1人が手話を使い、もう1人は音声を使うという多様性を示すスタイルでした。

今年印象深かったのは「ボディソープの触覚記号」を知っている生徒さんが数名いたことです。同じ質問をつくば市UD研修で新規採用職員さんたちにも聞いていますが、だいたい100人中100人が知りません:)。子供たちの方が知っているというのは喜ばしいことです。しかしこのボディソープの触覚記号、2014年にJIS化しているはずなのですが、10年経ってもほとんど知られていないのが不思議です。シャンプー&リンスはものすごく知名度高いんですけどね。

学園祭

学園祭、まさか名前が変わるとは思っていなかった…とほとんどの教職員がひっくり返ったと思います。もちろん学生主体の企画ですから、命名も自由ではあるんですけどね。教授会や教員会議でも「春日祭日程」云々~って出てきていたのですが、近づいてみたら「秋月祭」なるものが準備されていました。誰も何も言えませんが、なかなか思い切ったなぁと感じました。小さい大学の小さい学園祭ですが、学生たちは頑張って企画して、多くのお客さんたちを集めていました。

この写真は点訳後援会のみなさんのブースで展示されていた「韓国のビール」で、点字は韓国語です。「맥주」のパーツが1点ずつ書かれているので5文字です。

ICC報告会

今年の報告会は、アイオワ研修がなかったことと参加人数が5人と例年より多かったことから、ICCだけで1時間使って実施しました。5人それぞれの視点を交えながら10日間を順に説明した後、それぞれの参加学生から同級生や下級生たちを意識したメッセージで締めくくり。印象に残ったのは「英語が分からないとどんどん顔が険しくなって、さらに話しかけてもらいにくくなる。だから笑顔を忘れずに。Don’t forge your smile!」というメッセージ。これはホント、とても重要なのですが、さてさて下級生たちに伝わったかどうか。

Brother / Lighthouse

怒涛の9月が終わってほっとしているのも束の間、2024年度、2学期がスタートしました。しかし9月は忙しかったです。15日にドイツから帰国して17日に京都に移動、京大開催のHI2024に参加してしゃべるダーツのポスタープレゼンをこなしてきました。

京大吉田キャンパス、百周年時計台記念館。

この発表用の荷物の発送について、ドイツに行く前にしておかないと間に合わないことは明白です。そこで出国前の9月5日にクロネコさんに持ち込んだのですが…。そこで告げられたのは「17日着はダメですね~。」というお言葉。そうなんです。日時指定は1週間より先はできないんですね。言われれば確かに当たり前、1年後とか指定して自分宛に送れば「無料倉庫」になりますもんね。というわけで、出国後の発送を総務にお願いしてドイツに発ちました。

そんな経緯の荷物も無事吉田キャンパスに届いており、実物ダーツとプロジェクタ投影というポスターらしからぬポスターを掲示した発表ができました。

東京大学安田講堂

そして翌週末、28~29日は「インクルVI」なるハッカソン・アイディアソンイベントのために本郷へ。視覚障害者も一緒に楽しめる「あそび(ゲーム)」を作るという、なかなか楽しい企画でした。

というわけで、京大から東大へハシゴした9月下旬、研究社のLighthouseを思い出したりしてました(-_-;。今の高校生は電子辞書なんでしょうね…

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