小林@筑波技大/福祉工学やら支援技術やら

投稿者: M.Kobayashi (2ページ目 (5ページ中))

いわゆる「次々{販売|商法}」

最近LINE経由での過量契約トラブルが増えたのか、ここ数日ニュースで耳にする「いわゆる次々販売~」というフレーズ。恥ずかしながらあまりこの単語を認知していなかったので少し検索。

そのまま「次々販売」で調べると平成28年の消費者契約法改正のタイミング、2016-17年頃の法律関係のページが多く当たりました。その前はどうなのかな…と「before:2015/12/31」などを加えて過去に遡ります。2007~8年頃の呉服販売の注意喚起、2002~3年頃の高齢者ターゲットについてのクーリングオフなどのページが出てきました。言葉としては1990年台から(もしくはもっと前から?)あったような気配です。

一方、国民生活センターに絞って「site:kokusei.go.jp」を加えてみると、平成19年の業務実績報告書が最古の様子。サイトリニューアルなどで昔のデータが消失しているのかもしれませんけど。

「次々販売」はそれほどユニークな(固有な)名称ではありませんが、関連してこのような呼称のネーミング、誰がどうやって決めているのかな…と調べているうちに面白い記事も見つけました。
自然消滅した「母さん助けて詐欺」命名の裏事情
ふむふむ。

振り返って自分の「ネーミング」。試作デバイスやシステムに名前をつける機会がこれまでありましたが、失敗したのは1999~2003年頃に手がけたペンで描ける触覚ディスプレイ。「ひっかいたら浮き出る」ということで「電子レーズライタ」としたこともありましたが、ミミズ腫れのイメージからなんとなく、本当になんとなく「MIMIZU」と呼び始めてしまいました。

筐体のカラーが変わる度に「ミミズレッド」「ミミズイエロー」「ミミズブルー」などと戦隊モノっぽく進化してきましたが、国際学会に出す際に「ミミズ腫れ」いやそもそも「ミミズ」自体のイメージが全く良くないことに改めて気づいて絶望しました。Multimedia Interactive…Unit.とか誤魔化すこともできずそのまま「MIMIZU」でSpringerのLNCSに出てしまっているのはかなり反省点です。

Windows11のバッテリーアイコンの違いが見分けにくい

タイトルそのまんまの内容です。Windows11のタスクバー右端、通知領域(って言うんでしたっけ)のバッテリーアイコン、充電時は図の左側のように稲妻マークが添えられます。一方、バッテリーが減ってエコモードのような状態になると右側のように葉っぱマークが添えられます。コレ、ものすごく小さくて老眼の進んだ私にはなんだか見分けがつきにくい。

そしてだいたい葉っぱマークがついた時はバッテリーが減っているので、急いでACアダプタとかつなぐわけです。しかし「ちゃんと給電されているのか」がぱっと見分かりにくい…結局マウスオーバーで「充電中」とか出したりしています。もっとこう、充電中なのが分かりやすいベタなアイコンにして欲しいと思ったりしています。

情報システム学実験2023

情報システム学実験は、オムニバス形式で進められる3年生の科目で、教員1人につき3週間9コマが割り当てられています。私の担当部分ではクラスを3から4チームに分けて、それぞれがArduinoマイコンを使ったシステムを作って発表する、というものを実施しています。昨年まで少し古いESP8266を使っていましたが、今年はBluetoothを使えるESP32にしてみました。条件としては、必ず無線機能を使うこと、としています。WiFiは設定でつまづくことが多いのですがBluetooth シリアルが使えるので、とりあえずシリアル通信で何かしら実現できるのは授業的には助かります。

今年のクラスは人数的に3名もしくは4名の3チームになりました。今日は3週目で最後の時間にデモを含むショートプレゼンをします。チーム名はESP8266を使っていた頃にピンヘッダの色が赤・黄・青・白・黒などがあったことからチームレッド・チームブルー・チームイエローなど色になっています。

ハードウェアの絡むプログラミングは初体験という学生さんもいますし、慣れている学生さんもいますが、今回のシステムは以下のようなものが揃いました。

  • 赤外線LEDを使って家電をコントロールするリモコンシステム。Nature Rimoみたいな感じでしょうか。筐体もしっかり作りこんでくれています。
  • 明るさによってカーテンを開閉するシステム。Cdsの出力によってステッピングモーターを回転させます。さらにBluetoothで手動での開閉にも対応します。授業内容として、王道のコンテンツといった感じですね。
  • インスタント麺にお湯が注がれたらその重さによって適量値を判断し手元のスマホに知らせ、さらに時間計測を始めるシステム。ハードウェアとしてはロードセルからのデータがメインですが、スマホインタフェースや通知の音楽などに凝っています。

完成したチーム・未完成で発表日を迎えてしまったチーム、それぞれですが皆何かを作り上げる喜びは感じてもらえている…はず。と信じています。

8020運動の成果?

先日Webでふと目にした「8020運動による成果」が気になりました。いわゆる「80歳で健康な歯を20本残そう」という有名な「運動」ですが、8020推進財団曰く、「30年前(1989~)には10%以下だった達成者が50%になった」そうです。上記リンク先ページは2016年当時のもので「2022年には60%に」といった内容が書かれています。

私はあまり歯医者さんのお世話になることがないせいか、「8020運動」なるものをまったく意識したことがありません。しかしデータからは確かに80歳周辺の20本残存者数が増えているようです。

8020推進財団のページにもいくつかグラフが掲載されていますが、厚労省のページをウロウロして関係しそうなデータを探してみました。

歯科疾患実態調査:結果の概要」にある「平成28年歯科疾患実態調査」あたりが公式データ?と言えそうです(もう少し新しいのもありそうですが)。このグラフを見ると年齢の階級値毎に見ると6~5年スパンの調査年において確実に増えているというのが分かります。一方で「5年(6年)前の若い階級の層がそのままシフトしてきた」とも読めます。平成28年の80~84歳の45%は、平成5年の60~64歳の50%弱からそんなに落ちていない、というようなことです。世代間の差が大きいのでしょうか。まさにそれこそが8020運動なのかもしれませんが、世代間による歯のケアの常識が変わってきているのか、生活様式や食生活が影響しているのか謎です。フッ素配合歯磨き粉、の影響が大きいような気もしますね。

これらのデータの取得方法も興味があるところです。6278人中3820人、6割が口腔診査受診者で、残り4割が質問用紙だそうです。受診している時点で口腔ケアへの意識が高いとも言えそうですがそうでもないんでしょうか。ついつい「視覚障害者のパソコン利用率を調べるためにインターネット調査をする」というジョークを思い出してしまいました。

SIGACI@京都-2023

3月27日の月曜日、昨年もポストしました京都工芸繊維大学でのSIGACIに参加してきました。今回は嬉しい悲鳴で発表件数がとても多かったため、急遽「ポスターセッション」を用意し、希望者にはそちらに変更してもらうという形をとりました。少なくとも私の知る限りアクセシブル・インタフェース研究会としては「初のポスターセッション」だと思います。

口頭発表セッションの様子

プログラムにも書いてあるように当日は「3分ショートプレゼン」を連続して行ってからポスターセッションの時間になるというスタイルでした。ノービス扱いの学生さんたちの発表が多くシフトしてくれたのですが、結果としてとても良い試みだったかと思います。来年度もこの形式にしてみるのが良いかも、と田中先生や桑原先生・河野先生・山添先生ら幹事メンバーと話していました。

また、ハイブリッドでの開催だったので「オンラインポスター発表」が数件ありました。ブレイクアウトルームに発表者が入った状態のノートパソコンをポスター前に置いて対応したのですが、会場に居る人たちが「中腰にならなくてはいけない」のが辛そうでした。次回はノートパソコンスタンドを用意しなくてはですね…


研究会とは離れて「京都」を見てみると、かなりコロナ前に戻ってきた印象です。旅行支援もあるのでしょうが、国内はもとより海外からの観光客数が昨年とは比べ物にならないくらいでした。新幹線もほぼ満席。個人的には「ココイチに外国人観光客の方々が行列を作る」という状況が印象的でした。

DCC優秀賞

すこし前の話題ではありますが、1月23~24日に開催された情報処理学会デジタルコンテンツクリエーション(DCC)研究会で、協力していた多摩美の学生さんの発表がDCC優秀賞を受賞しました。

視覚障害児童向けの楽しいインタラクティブデザイン」というタイトルの発表ですが、研究の目的は視覚障害者の美術教育です。内容は、柔らかい触感で構成されたブロックを組み合わせて形を作り、画像認識によってコンピュータが音楽を流すというインタラクティブシステムについてのものです。

関係する皆様には何度かつくばまで足を運んで頂いて、ディスカッションさせてもらいました。ソフトウェアを専門に学んでいるわけではない美大の院生さんが普通にOpenCVやpython、Yoloなどを使って作品を作り上げていく様子が、実は一番驚きでした。

パラメトリックスピーカー

2008年発売の秋月のキット、2012年くらいに一つ作っていましたが、10年ぶりにもうひとつ組んでいます。半田づけ作業中、眼鏡を外した方が楽になってしまいましたが…

合計100個の超音波素子をつける作業も終わりました。

組みあがったパラメトリックスピーカーキット

前回↓はエネループ10本の電池ボックスをグリップにしてハンドガンぽくプラ板で仕上げましたが、今回はどういう筐体にするか思案中です。

10年前のパラメトリックスピーカー、ハンドガン仕様前面
10年前のパラメトリックスピーカー、ハンドガン仕様背面

ラズパイPicoで2サーボ

これまでArduinoやESPだけしか触ってきませんでしたが、Micropythonで動くので学生受けもよさそうかな…と思ってRaspberry Pi Picoに手を出してみることにしました。

とりあえずサーボです。「Raspberry pi Pico servo/サーボ」などと検索すれば1つ動かすサンプルはいくつも出てくるのですが、スレッドで2つ動かしたいので適当に書いてみます。

ブレッドボード上のRaspberry PI Picoとサーボ・電池ボックス
from machine import PWM, Pin
from time import sleep
import _thread

servo_1 = PWM(Pin(0))
servo_1.freq(50)
servo_2 = PWM(Pin(1))
servo_2.freq(50)

angle_0 = int(2.5 / 20 * 65536)
angle_90 = int(1.5 / 20 * 65536)
angle_180 = int(0.5 / 20 * 65536)

def Move_1():
    while True:
        servo_1.duty_u16(angle_0)
        sleep(0.5)
        servo_1.duty_u16(angle_90)
        sleep(0.5)
        servo_1.duty_u16(angle_180)
        sleep(0.5)

def Move_2():
    while True:
        servo_2.duty_u16(angle_0)
        sleep(1)
        servo_2.duty_u16(angle_90)
        sleep(1)
        servo_2.duty_u16(angle_180)
        sleep(1)

_thread.start_new_thread(Move_1, ())
Move_2()

無事それっぽいリズムを刻む動きをしてくれました。

最初、2つともスレッドにしていて少しハマりました。
(最終行を「_thread.start_new_thread(Move_2, ())」と書いていた)
PicoはPWMを2系統しか出せないようなので、3つ以上のサーボを動かすには別途コントローラが必要ですね。

ハイレナイ トコロ

前から気になっているのですが、トイレ前の触図の凡例にある「入れない所」もしくは「入れない場所」について。どこで誰が決めた表現なのか興味があります。JISの例で「非通行部分」となっているのは読んだことがあります(「JIS規格として発行される触知案内図表示法の概要について」)が、「ハイレナイトコロ」と書かれると何ともモヤモヤ。

確かに入れないところではあるのですが、柱や壁に対して言われると少し違和感…そもそも入ろうとはしていないし…いや、ホグワーツへの道かもしれませんが…

トイレ前触図全体図

写真は近くのショッピングモールのトイレ前触図です。

さて、本題の凡例を見てみますと:

小便器とサニタリーボックスの凡例。点字はそれぞれ「しょーべんき」と「はいれない ところ」

小便器は「しょーべんき」ですが、サニタリーボックスが「はいれない ところ」になっています。ちなみにサニタリーボックスは墨字で黒い丸で表していて、個室にいくつか設置してあるところと設置していないところがあります。見える人は事前にサニタリーボックスのある個室が分かるようになっていますが、触図にはサニタリーボックスを表す突起はなくて、代わりに「はいれない ところ」を示すドットパターンが示されているというわけです。このあたり、情報保障的には同じ情報ではないという点も考えさせられますが、個人的に気になっているのはこの「はいれない ところ」という表現です。いつ頃どのようにして決まったのか知りたい…

左上の凡例。現在地と洋式、手洗いなど。
最初にあるのは「トイレごあんない」

続いて左上を見てみると「トイレMAP」の下には「といれ ごあんない」とあります。洋式トイレは墨字が「洋式」だけですが点字は「よーしき べんき」となっていて「小便器」との対応が取れている印象です。手洗いはそのまま「てあらい」ですね。手洗いや小便器は、下が壁側になるような凡例となっていました。最後に「たもくてき といれには、たもくてき しーとが あります。」と書かれていました。一瞬何が言いたいのか悩みますが「多目的シート」の意味を知っていれば重要な情報です。


多分サン工芸さんの触図だと思いますが、最近は現在地が分かりやすいように少し高い突起の半球になっていることが多いですね。このトイレMAPは「はんれい」のすぐ下に「げんざいち」があり、更に「『ずの ひだり した』」という説明も加わっているため現在地を探しやすくなっています。

ただ、細かい点ですが墨字だと凡例が「現在地」、地図表示が「現在位置」になっているのはちょっと気になりました。そしてこの写真では肝心の現在位置表示の半球が抜けちゃっているのが一番問題だったり…(-_-;

速やかにインフォメーションセンターに連絡しておきましたが、直してくれるでしょうか。

一方、卒業生にこの話をしたら「あまりトイレの前の触図は触りたくないので(よく知りません)…」という答えが返ってきました。ううむ。不特定多数が触る可能性のある公共施設での触図、スマホのようなパーソナルデバイスでうまく解決できる枠組みがあると嬉しいですね。

年末年始のWin11化

2023年、兎年となりました。本年もよろしくお願いいたします。この年末年始、ハードウェア(?)的には次男のDukeのチェーン交換/ソフト的にはメインノートのWin11化(というかWin11マシンのセットアップ)に時間を使っていました。

当然ながら学生さんたちが新しくPCを購入すればWin11なので、彼らへの対応を考えると、こちらもそろそろ慣れておく必要があります。タスクバー上端派としてはなかなかシフトできなかったのですが、諦めて使うことにしました。

そんな中、苦労したのはWANの設定です。SIMは認識しているのですがどうやっても「圏外」になるのです。アクセスポイントの設定も間違っていません。少し調べたところAPNの種類を「インター ネットおよびアタッチ」にしなくてはいけない…ということが分かりました。最初に出てくるコンボボックスが「インターネット」なのでそのまま進んでしまうんですよね。ここ、結構ハマるポイントだと思います。

Win11、暫く使ってみて不便なのはプロキシー設定ON/OFFがWin10と比べて一段深いところにあることでしょうか。何かしらのショートカット/バッチファイル的なものを作る方が良いかもしれません。


ちなみにチェーン交換の方はというと、クリップタイプを発注したつもりがカシメをポチっていたようでクリップを後から発注したり、チェーンカッターがうまくピンを押し出せずに結局グラインダーで火花を散らしながら全カットしたり、クリップの圧着工具を追加購入したりと、休み期間を通して後手後手な作業となりました。なんとか正月中に交換できて良かったです。

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