小林@筑波技大/福祉工学やら支援技術やら

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薬指

「薬指は英語で何て言うんだっけ」ある日の朝食時の話題です。Thumb, Index finger, Middle fingerと来て薬指や小指はあまり表現したことがない。小指はpinky ringと言うからpinkyか、おっとlittleも言うみたい、などと話していましたが、当の薬指はというとRing fingerが出てきました。うーんやっぱりそれ以外の表現はないのか~、という感想。

右手の場合もRight ring fingerと出て来ました。なんだか薬指と小指はあまり重要ではないような印象…?いやいや逆に重要なのか…?とか、朝から少し考えてしまいました。

剣道でも弓道でも、左手の薬指は結構重要なポジションだった記憶がありますが、西洋ではそうでもないんでしょうかね。しかしそもそも「薬指」という名称の由来もあまり考えたことがありませんでした。調べてみるとなるほど面白いです。洋の東西を問わず精神的には重要な?ポジションだったようです。

ICC2024

この夏2往復目の欧州、8/4-13の10日間イタリア・ローマで開催された視覚障害学生サマーキャンプICCも無事終了。2年生4名+4年生1名の5名の学生を引率して参加してきました。2003年から数えて21年、ICC参加史上最大人数です。

今回は学生同士のコミュニケーションを促進したり語学習得状況の確認などをしたりする目的で、4月から隔週でミーティングをしたりしていたのですが、まぁ何をやったとしても、どの学生さんも現地に行って「準備不足を後悔」します(私も毎年後悔しますが)。全体として本当に彼らは頑張ってくれたと思うのですが、皆現地に行くと「現実を知る」ことになります。学生さんのコメントで特に印象深かったのは「自分の英語が通じない!国内で相手になってくれるネイティブの先生や留学生の方々は、自分たちに合わせてくれていたことを実感した…」というものでした。こういう経験、本当に大事です。それでも本学の学生さんたちは各国の参加者らと積極的にコミュニケーションを取り、友達を増やして帰ってくることができました。

そして全体を通して良くも悪くもイタリア流。昨年のチェコが本当にキッチリ用意周到に進めてくれていただけに、流動的というかフレキシブルというか(^^;、直前までほぼ何も決まらない状況に少しハラハラしました。そのおかげでこちらも旧知の友人や新しい知人らとよく話すことができたので結果オーライですが(…というか色々主張していかないと切り抜けられない状況だったり…)。

ワークショップについては、同行して頂いた障害者基礎教育研究部の嶋先生がディスクゴルフを提案して下さったので、復活させた「Japanese Writing System」との2本立てで挑みました。JWSはカタカナで名前を書くところから始まり、翻訳エンジンや書き順サイトなどを駆使して書道を楽しむワークショップです。書道キットを5人分持っていくのが大変なので、今回は参加者は筆ペンを使うことにしました。

するとこれらがなかなかの人気具合で、8タイムスロット中ディスクゴルフが3回、JWSが4回という盛況状態。連日「午前はディスクゴルフ、午後はJWS」という日が続き、日中の暑さもあいまって毎日ヘトヘトでした。

エクスカーションはローマ近郊のテーマパーク、Magic Landで過ごすというもので、これも2011年のフェラーラでのICCを彷彿とさせます。

最終日のパーティでは例年国別パフォーマンスが行われます。昨年は1名だったこともあり、同じく1名参加のドイツとオーストリアと一緒に寸劇を行ないましたが、今年は5人のまとまった人数だったので「しっかり歌って踊る」ことができました。他の国と比べても本当に素晴らしいステージだったと思います。100人近い外国人の前で歌う経験、なかなか出来ないでしょうから、これも(多分)学生さんたちにとって良い経験になったことと思います。

R6年度春

今年度の4月もバタバタと過ぎていってしまいました。年度が変わって少し仕事も増えましたが、個人的にショックだったのは大西先生のラジオ英会話の時間が変わってしまって通勤時間に聞けなくなったことでしょうか。半年間滞在されていたデボラ先生も帰国されて、英語に触れる機会が少し減った春でした。代わりというわけではありませんが、欧州研修参加希望の学生さんたちのボキャブラリー増強に付き合ってターゲットやらコーパスやらこねくりまわす毎日です。

重度の視覚障害のある学生さんの場合、晴眼者が行う「見ながら聞く」という学習が難しい場合があります。例えば「知っている単語で聞き取れないだけ」なのか「もともと知らない単語」なのか音だけで判断するのが難しい。さらに、スペルも分かりませんから辞書が引けません。スクリプトが最初から用意されている教材を使うというのももちろん手法としてはありなのですが、それでも「今分からなかった単語」を調べるのにはかなりの労力を要します。見えている人の場合は再生を一時停止して、画面などの文字情報を書きとったり電子辞書やインターネットですぐ調べたり、ということができますが、音だけで学習していると聞き取れなかった/分からなかった部分の特定にも時間がかかってしまうのです。以前、そのあたりをどうにかしようと取り組んだこともあったのですが、今年の卒論学生さんに進めてもらおうかと考えています。

on cloud nine

あっという間に2024年も8%が終わってしまいました。ハンガリーからの知人を案内したり若者の結婚式に出てみたり、充実していたような、色々詰め込みすぎたような1月でした。

研究では、デフリンピックやオリパラを控えて最近ISeee関連の打ち合わせ・イベントが多くなってきました。デフハンドボール・デフバスケ・ろう自転車など聴覚障害関係のスポーツをメインに、様々なフィールドで試用していく予定です。
また、微力ながら協力させて頂いている佐久間先生・木村先生との歩行関連の共同研究の成果がひとつまとまりました。両先生お疲れ様でした。
学内の共同研究では、鍼灸の志村先生や福島先生のお手伝いをさせて頂いている教材ネットワークの方も、だんだん形になりつつあります。
それからこれまでクラウドサービス系の研究をご一緒させて頂いている鍾先生・森嶋先生・松原先生とは、年明けから新しいものをスタートして実験を進めています。融合知から少し私のフィールドに軸足を移したテーマになりそうです。
肝心の「しゃべるダーツ」の方は陸井君の卒論発表が本日終わり一段落。Deborah先生ご協力のもと、よくまとめてくれました。
その他、多摩美の方の協力案件も進んでいます。

月をまたぐとReviewな2月…が始まりますが、なんとかハッピーな気分で乗り切りたいと願っています。Happyといえば車内で流し聞きしているラジオ英会話、1/18の放送は「幸せに関する表現」でした。その中でI’m on cloud nine、という表現がチラっと出てきたのですがとても印象的で、珍しく記憶に残っています。使える日が来ると良いなぁ。

動画はHappyつながり?…珍しく昼に見えた富士山です。

ikigai

ikigai diagram

この夏はJSPSの短期海外研究者招へい事業にてインドのマドラス・クリスチャン・カレッジからRobinson Thambraj博士をお迎えしています。日々山のようにノートにアイディアを書き溜めているRobinは会うたびに新しいアイディアについて話してくれます。

もちろん研究の話題以外に雑談もするのですが、先日「インドではikigaiが流行っている」と聞いて「?」となりました。「ikigaiですよikigai!」と言われて「生き甲斐」のことだと分かり、検索してびっくり。なるほど2015年ごろから日本の「生き甲斐」の概念は世界に広がっているのですね…

画像検索結果には、what you love / what you are good at / what the world needs / what you can be paid for の4つの円が描かれた図が並びます。 love / good atの重なるところにはpassion、love / the world needsの重なるところにはmission、the world needs / you can be paid forの重なるところにはvocation、you can be paid for / good atの重なるところにはprofession、そして4つの円が重なる場所に「ikigai」となっています。

ikigai diagramやpurpose diagramなどと呼ばれるこの図を含めて、ikigaiがそんなに注目されているとは恥ずかしながら初めて知りました。普段分かって使っているつもりの単語はわざわざ検索しませんものね…

https://www.bbc.com/worklife/article/20170807-ikigai-a-japanese-concept-to-improve-work-and-life

まるっきりこの話題とは関係ありませんがRobin曰く「日本の空の青は濃い。赤道直下のインドとは発色が違う」そうです。「雲の形や影も違うんですよ」とインドっぽい英語でつぶやきながらパシャパシャスマホで空の写真を撮っていました。

つくばちびっ子博士2022

8月24日水曜、つくば市のイベント「ちびっ子博士2022」に大学として参加しました[つくばちびっこ博士2022参加機関情報]。春日キャンパスでは事前にお申込み&抽選にて決定させて頂いた10組の親子の皆さんを対象として、10時・11時・13時・14時の4セッション開催しました。内容的には2種類の体験イベントを20分ずつ、合計40分~45分くらい実施し、間に消毒などの作業を入れるというスタイルです。

私はそのうちのひとつ、触覚教材体験系のイベントを担当しました。科学技術週間や小学生対象のワークショップなどでも行うことがあるのですが、模型や立体コピー、点図について一通り説明した後に、封筒で隠した立体コピーを触ってもらって、「触るだけで形を理解することの難しさ」を体験して頂きます。単に線を触れるようにするだけでは理解が難しく、事前情報や周辺情報、触っている時の解説などが大事ですよね、線などの省略の仕方も重要ですしね、…というお話です。もちろん本学の学生さんの中にも、とても触察技術があり(ある意味勘も良い)人もいたりしますが、基本的には触図を触ってもらう時はできるだけ細かく解説するようにしています。また、だからといって触図が役に立たないという意味ではなくて、何かを説明する時に触図や模型があるととても役立つことも、ちびっ子博士では同時にお伝えするようにしています。

そんな担当イベントですが、最後に立体コピー用紙に「お絵描き」をしてもらってピアフで出力してお土産にしてもらうパートがあります。つくば市のお子さんたちは非常に対応力があり、ある男の子は、受付で渡された50音の点字一覧表がデザインされた下敷きを見ながら自分の描いたキャラクターの脇に点字を添えようとしていました。下敷きには「あ~ん」の点字しか記載されていないので、彼は「か」と点字で描いた後に「伸ばす音(長音)はどう書くんですか?」と質問をしてきました。そして2・4の点だと伝えた後に手元を見ると「カービィ」の可愛い絵が….そう、次に彼が質問してくるのは「ビィ」だと予測できたのです(!)

ご存知の方も多いと思いますが、点字の拗音一覧の中には「ビィ」がありません。「ヴィ」ならありますが「カーヴィ」でも「カービー」でもなく「カービィ」です。なかなかの難問です。

イベントが終わった後に点訳チームに尋ねたところ、「かー濁ひい」というように小文字のィは通常の「イ」で表現するのが妥当ではないかというお答えでした。4・5の小文字符は利用者にあまりなじみがないということや、点字のてびき第4版23ページにあるように「原文で小文字の仮名が長音を表しているときは、長音の表し方に準じて書く」(=つまり、長音を表さない時は長音にしない)というのがその理由ということです。その他、外来語やカタカナ語について改めて学ぶ良い機会になりました。う、を長音で表すことも多い日本の点字は、表音文字と言えますが、「カービィ」の発音はどうなんでしょうね。「カービー」と発音している人が多いような気もしますが、うーん。固有名詞なので表記を重要視するならば「濁ひ小い」になっても良い気もしますけれど…そんなことを気にしなくて良い欧米点字が少し羨ましくなったりしました。

hit the road

先日久々に日本を訪れた知人と都内で待ち合わせた際、メッセンジャで「I also hit the road…」という表現をされました。なかなか自分では使えないイディオムです。次使う機会が来るまで覚えていられると良いのですが…などと考えているうちにJSPS短期で招聘したインド人の先生が来日しました。正に使えそうな機会が訪れたにも関わらず、やはりタイミングを逸してしまいました。身についていないフレーズを使うのは難しいです。

Shall/Should

ISO(International Organization for Standardization)、JISの国際版ですが、そのISOの文章を読んでいるとShallが強い要求事項で、Shouldが弱い要求事項です。先日とある会議で改めて思い出しました。

  • Shall=すべき、しなければならない。
  • Should=することが望ましい。

ということです。他の英語解説サイトにもよく書かれていますが、日本人は逆のイメージを持っていることが多いそうな。確かに私もそうです。自分で英語を話す時にほとんどShallを使わないこともあると思いますが、「Shall we dance?」というフレーズのせいではないかな…と。疑問形だと結構ソフトな印象ですよね(違うかな)。

また、同様な助動詞ネタに「must」と「have to」が扱われているのをよく目にします。mustが自発的なものでhave to が外的要因、のような解説が添えられています。自分の記憶にある会話で「You must do it.」と言われたことがありますが、文字だけだと強制力があるように見えます。しかし会話の中では「(それはきっとあなたのためになるから)やるべきだ」というニュアンスでした。前後の文脈は大事です。

ルー/ROUX

プログラミング系授業の課題では、学生さんたちが変数名をいろいろ工夫してきてくれますが、色々勉強になります。先週はお料理系のモチーフの課題で「お鍋(Pan)クラス」を使ってブロック付きメソッドを作るようなものでしたが、変数tifalやらハッシュキーporkやら楽しませてもらいました。

新しく認識したのはカレーのルーはrouxとスペリングすることと、フランス語ということですかね。rouxの発音動画、なんてのもあるようです。

Shoulder Surfing

今日の卒研ミーティングで学生さんが読んできた文献の解説をしてもらっていたのですが、恥ずかしながら「shoulder surfing」という単語を初めて知りました。いわゆる肩越しののぞき見のことです。当該文献は視覚障害者ユーザ向けの、のぞき見防止策についての内容で、著者は知人でもある榊原先生でした。

この言葉はコンピュータ用語としてe-wordsにも載っているようですが 「ショルダーハック」は和製英語で、英語としては”shoulder surfing”あるいは “visual hacking”とのこと。合体して残ったのがショルダーハックということでしょうか。濁音つけるとショルダーバックか…などとつい思ってしまいました。

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