小林@筑波技大/福祉工学やら支援技術やら

投稿者: M.Kobayashi (6ページ目 (7ページ中))

おもてなしガイド

おもてなしガイドアイコン

関わっている研究分野のひとつに博物館・美術館・水族館等文化施設のアクセシビリティがあります。入口で貸し出してくれる音声案内ガイドの使いやすさなどに興味があるのですが、最近は専用機器ではなくスマホによる音声ガイドも増えてきました。コロナ前、2019年に訪れたアムステルダムのRIJKS MUSEUMでもアプリが用意されていて、魅力的なコンテンツがもりだくさんでした。施設側はコンテンツ管理がサーバで可能、ユーザ側は自分の端末が利用できて衛生的、スクリーンリーダー対応してくれていればとりあえず視覚障害者も使える、とまぁメリットが多いです。

そんな中、とあるミーティングにてヤマハの「おもてなしガイド」を知りました。2015年あたりに実証実験を進めているので結構古くからあるものですが、これまで使ったことがありませんでした。つくば近辺にはスポットがないのですが、京都に行く機会があったら試してみたいと思います。

これは可聴域外の信号をスピーカーから出して、マイクで拾うことで音声・音響情報以外の、でも関連した情報を画面に表示したりできるというものです。しかし公式ページを見ても何をしているのか分かりにくいですね。イメージ先行なのも良いのですが、もう少し技術的に何がポイントなのか書いてくれると、使いどころとか使えないケースとか想像しやすいと思うのですが…。音を聞いて翻訳してくれる、という表現だと音声認識と間違う人がいそうな気がします。

スピーカーで情報を送るということから、同期信号を乗せて字幕のタイミングを合わせる「UDCast」を思い出しました。ちなみにUDCastのサイトはシンクソノラのことがちゃんと書いてあり、分かりやすくなったと思います。以前は「字幕データが送られてくる」と誤解した人もいたようですが、「音に入っているのは同期信号だけですよ、そこがキモです」と技術情報として出ています。

(しかしおもてなしガイドのトップ動画、2015年だとしてもデニムの上下は流石にナイのでは….)

Shall/Should

ISO(International Organization for Standardization)、JISの国際版ですが、そのISOの文章を読んでいるとShallが強い要求事項で、Shouldが弱い要求事項です。先日とある会議で改めて思い出しました。

  • Shall=すべき、しなければならない。
  • Should=することが望ましい。

ということです。他の英語解説サイトにもよく書かれていますが、日本人は逆のイメージを持っていることが多いそうな。確かに私もそうです。自分で英語を話す時にほとんどShallを使わないこともあると思いますが、「Shall we dance?」というフレーズのせいではないかな…と。疑問形だと結構ソフトな印象ですよね(違うかな)。

また、同様な助動詞ネタに「must」と「have to」が扱われているのをよく目にします。mustが自発的なものでhave to が外的要因、のような解説が添えられています。自分の記憶にある会話で「You must do it.」と言われたことがありますが、文字だけだと強制力があるように見えます。しかし会話の中では「(それはきっとあなたのためになるから)やるべきだ」というニュアンスでした。前後の文脈は大事です。

SIGACIワークショップ

今年もヒューマンインタフェースシンポジウムで研究会ワークショップを実施することにしました。現在サポートページを本サイトに作っているところです。

SIGACIのワークショップは、2015年のはこだて未来大学のシンポジウムから毎年行ってきています。せっかく学会に参加しても他大学の学生さんたちと交流できないのはもったいないなぁ、という思いから学生交流を目的として続けていますが、2016年からしばらくはハードウェア工作ネタにシフトしました。

スタート当初は「ハードウェアにちょっと手を出してみるワークショップ」ということで加速度センサを使ったワークショップ。岡山県立大の石井先生のところの学生さんや新潟大の渡辺先生のところの学生さんたちが参加してくださいました。学生さんたちによってワイヤの使い方が異なり、性格が出ていたのを思い出します。

2017年、大坂工業大学の時は「ハードウェアにもっと手を出してみるワークショップ」。ESP8266とスマホの通信をやりました。かなりお土産としては良いモノだと思っていたものの、当日まで参加者が集まらずに大会長まで参加してもらったりしました。

2018年、筑波大でのシンポジウムは幹事も担当しつつ、ワークショップも頑張って続けました。「ハードウェアと戯れるワークショップ」というタイトルで、スピーカーを接続したArduinoでシンセサイザーみたいなものを作ったように記憶しています。近場ということで、本学の学生にも参加してもらった回でした。

2019年の同志社開催シンポでは、ワークショップではなく講習会「ハードウェアスケッチ」の方にジョイント参加させてもらいました。小林茂先生の講習会で、ネットワーク上でのスケッチなど体験させて頂きました。

コロナ直撃の2020年はシンポジウムではなく「コロキウム」という形での開催でした。ワークショップはZoomでの開催となりハードウェアネタではありませんでしたが、色々な方をお招きして良いお話が聞けました。

昨年2021年は工学院の田中先生に音頭を取ってもらって、オンラインの「研究室見学」を実施しました。学生さんたちのレポートが、現場感があってよかったです。

というわけでしばらくぶりのハードウェアワークショップ。無事実現できることを願っております。

F-14

久々に映画館に足を運びました。「Top GunMaverick」、トップガンの続編です。公開直後の週末だったので混んでいるかと思いきや全然そんなことはなく、比較的空いていました。そして何というか観客年齢層が高い…そうか、この映画の対象者はそうなるよねぇ、と妙に納得です。

個人的にはバイクと飛行機が気になるこの映画、バイクの方はきちんと(?)GPz900が疾走するシーンが冒頭にあって、その後はNinja H2が活躍。飛行機というとF-14が最初にセリフの中で出てきて「ふーん」と思っていたらちゃんと可変翼も含めて活躍してくれるというおじさん視聴者へのサービス展開。残り弾数カウンタとか世代的に楽しめる演出がチラホラあって、やはり高年齢層向けの映画です。エンドクレジットに「F-14 advisor」だったかな、そんなセクションがあったのもニヤリとしました。

写真は2010年、ミッドウェイ博物館艦上でのF-14、囲いもなく自由に触れます。Tomcat好きな私は当時パシャパシャ写真を撮ってました。実物展示の博物館はかなり迫力があり、見えない・見えにくい同行者がいても触らせてくれるととても助かります。ここは本当に自由に触れました。

一方で、大きすぎてどこの部分か分かりにくい..のも事実。模型があるともっと説明しやすいですよね、と無理矢理研究の話で締めくくります。

ルー/ROUX

プログラミング系授業の課題では、学生さんたちが変数名をいろいろ工夫してきてくれますが、色々勉強になります。先週はお料理系のモチーフの課題で「お鍋(Pan)クラス」を使ってブロック付きメソッドを作るようなものでしたが、変数tifalやらハッシュキーporkやら楽しませてもらいました。

新しく認識したのはカレーのルーはrouxとスペリングすることと、フランス語ということですかね。rouxの発音動画、なんてのもあるようです。

Unicode

ソフトウェアの多言語対応をするためにjsonにリスト化されたものを開いてgoogle translator叩いて、戻ってくる訳語をjsonで保存、みたいなpythonスクリプトを作ってました。

まずgoogletransは新しいもの入れないと動かないようなので
pip install googletrans==4.0.0-rc1
などバージョン指定で。

コード的には
tr = Translator()
tr.translate(単語, src=”もと言語2レター”, dest=”翻訳先言語2レター”).text
で訳語が取れてしまうのでラクですね。

そしてjsonはUnicodeの4桁のテキストとして保存されるのですがこのあたり、面倒なのでそのままで。色々フィルタ作ることも考えたのですが、日本語と外国語、の混在しているファイルなのでどちらも表示できるテキストファイルは難しいわけですよね。Firefoxに放り込むと両言語をちゃんと表示してくれるので、このままが良さそうという判断をしました。

しかし一つトラブったのは、「requested」をポルトガル語に訳した時。なんと「request」なら大丈夫なのですが「requested」だと男性表現と女性表現の2つがあるようで、ライブラリのイテレーションがうまく行かないというエラーを吐きます。仕方ないのでそこはエラー処理で逃げることにしました。

鬼・刃

オブジェクト指向を教える授業で、毎年「ポケモンクラス」を書いて「ポケモンインスタンス」を生成、バトルを実施…という流れで演習していたのですが今年は鬼殺隊クラスと鬼クラスを作ってインスタンスを生成…としてみました。まぁやってることはほぼ変わらないのですが、全体的に学生さんの食いつきは良かったような気がします。とはいえ技やキャラクター名称をハッシュで用意する部分は、漢字が複雑なので音声利用者には余計な苦労をさせたかもしれません。

さて鬼滅と言えば、オフィシャルコラボが各所でまだまだ行われていて、原作が終了しているのに息が長いなぁと感心しています。このゴールデンウィークに出かけた先でも緑と黒の市松模様を散見しました。中にはうまく「鬼」とか「刃」とかだけ書いて、市松模様だけ掲げてキャラクターを全く使わない…というエセコラボもありそうです。このブームはアニメがまだまだ残りがあるので、数年は続くのでしょうか。イナズマイレブン・ダンボール戦機や妖怪ウォッチ等、レベルファイブの手掛けたコンテンツビジネスを思い出しましたが、こちらは映像制作のufotableが軸なので少し趣が異なる印象もあります。

めめめ

先週末の22日金曜は科学技術週間一般公開でした。2020年はコロナで一回中止にしましたが、2021年は小規模ながら実施、今年も同じように3部屋のみの小規模実施をしました。

私の担当箇所は、(大学で使っていないものを含む)触覚教材の展示です。今年はMicrosoftさんのCode Jumperなども展示しました。写真は例年展示している「点字ブロック」です。と言っても地面に敷いてあるものではなく、点字を自由に構成できる小さなパーツです。

黒い方は直方体が3つに分かれて自由に回転できる仕組みになっています。なかなか説明するのが難しいのですが、3桁のダイヤル錠のような感じで、4面がそれぞれ「左に1点」「右に1点」「2点」「なにもなし」の状態になっています。全ての組み合わせが可能です。点字の2^6=64通り、を表すのに4面^3=64通り、を使っているわけです。

もうひとつのグレーの方は立方体で、6面に4点の突起が施されており、「1点」「斜め2点」「直線2点」「3点」「4点」「なし(ハイフン)」の6面になっています。回転できるので、2^4=16種類全部が表現できます。数字の点字は1245の4点で表現可能なので、この立方体で「数字のメモ」ができることになります。

さてこのブロックなのですが、展示していたら小学校低学年の子が一生懸命「め」の状態にして並べてくれていました。とにかくすごい集中力で感心した次第です。(よ~く見ると「せ」が。…惜しい。)

Shoulder Surfing

今日の卒研ミーティングで学生さんが読んできた文献の解説をしてもらっていたのですが、恥ずかしながら「shoulder surfing」という単語を初めて知りました。いわゆる肩越しののぞき見のことです。当該文献は視覚障害者ユーザ向けの、のぞき見防止策についての内容で、著者は知人でもある榊原先生でした。

この言葉はコンピュータ用語としてe-wordsにも載っているようですが 「ショルダーハック」は和製英語で、英語としては”shoulder surfing”あるいは “visual hacking”とのこと。合体して残ったのがショルダーハックということでしょうか。濁音つけるとショルダーバックか…などとつい思ってしまいました。

複素数Complex

授業で複素数クラスComplexを説明する度に何故日本では「コンプレックス=劣等感」になってしまったのかという余談に走ります。inferiority complex, inferior complexの後半だけ残ったわけで、思うに「発音のしやすさ」でコンプレックスが勝ったのかと。そのくせシネコンとか複合施設という意味でのコンプレックスも使われたりと、混乱してしまいます。

そして和製英語の話題になると「(電源)コンセント」の話もしてしまいます。同軸ケーブルの電源プラグ時代の「Concentric plug」が由来だそうですが、Electric outletなどがパっと出てこないと出張先で電源が欲しい時にうまく伝わりません。

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