小林@筑波技大/福祉工学やら支援技術やら

カテゴリー: 文化

薬指

「薬指は英語で何て言うんだっけ」ある日の朝食時の話題です。Thumb, Index finger, Middle fingerと来て薬指や小指はあまり表現したことがない。小指はpinky ringと言うからpinkyか、おっとlittleも言うみたい、などと話していましたが、当の薬指はというとRing fingerが出てきました。うーんやっぱりそれ以外の表現はないのか~、という感想。

右手の場合もRight ring fingerと出て来ました。なんだか薬指と小指はあまり重要ではないような印象…?いやいや逆に重要なのか…?とか、朝から少し考えてしまいました。

剣道でも弓道でも、左手の薬指は結構重要なポジションだった記憶がありますが、西洋ではそうでもないんでしょうかね。しかしそもそも「薬指」という名称の由来もあまり考えたことがありませんでした。調べてみるとなるほど面白いです。洋の東西を問わず精神的には重要な?ポジションだったようです。

年始は奈良へ

久々に、かなり久々に奈良を訪れました。今回奈良女子大に訪れたついでに春日大社や東大寺にも足を伸ばしてみましたが、奈良の記憶には中学の修学旅行と大学時代のツーリングくらいでしょうか。東大寺周辺は本当に中学生以来かもしれません。

現地では、駅前から春日大社~東大寺まで数時間かけて歩いてみました。猿沢池の脇を通り、一の鳥居を抜けるともう周囲は「森」です。ふと顔を上げると鹿と目が合います。このエリアには結構な数の鹿が存在するのに、街中にまでは歩いて出てこないのが不思議です。でも奈良女のキャンパス内にも普通に置物のように数頭座っていたので、行き来?しているんでしょうか。それはそれで不思議な光景ですけど。

奈良公園は流石観光地、御多分に漏れず外国からの来訪者で溢れかえっていました。鹿の被り物も人気なようです。写真は春日大社と全長15mの大仏様。大仏の頭の長さは5mだそうです。実に1/3の大きさですが遠いので丁度良い威圧感になっている感じです。

春日大社本殿。
東大寺の大仏様を見上げる写真。

Dagstuhl Seminar 24371

7月オーストリア、8月イタリア、そして3往復目の9月はドイツです。
2024年9月8日から13日にかけてDagstuhl Seminar 24371に参加させて頂きました。

Dagstuhl Seminarとは

検索すると出てきますが、Dagstuhl SeminarとはドイツのLeibniz-Zentrum für Informatik GmbH (LZH)が主催する招待制・宿泊型セミナーです。Organizerが応募した企画が審査されて実施されます。日本のNIIが実施しているShonan Meegingのモデルになっているセミナーになります。

とはいえ、恥ずかしながら生粋のComputer Science出身ではない私は昨年9月にinvitationメールが来るまでDagstuhlのことは「dblpのところ」程度の認識でセミナーのことは知りませんでした。実際、国内での認知度は低いのかもしれません。周囲に「Dagstuhlに行ってきた」と言っても通じるのは経験者くらいなようです。

しかしinvitation letterが届いてから、長らくご一緒させて頂いている新潟大の渡辺哲也さんが2023年6月にInclusive Data Visualizationに参加していた、という話を聞いて、渡りに船、色々聞ける、…と思うと同時に少し笑ってしまいました。20年前のドイツ在外研究員の時も彼の米国滞在の後でしたし、そういうイベントはトレースする運命なのかもしれません。

Invitationの経緯

さて、その有り難いDagstuhlのinvitation、テーマは「Extended Reality Accessibility」です。実は、何故呼んで頂けたのか最初不思議だったのですが、OrganizerやParticipantsリストを見て納得しました。つくば市で2022年に開かれたVRST2022というバーチャルリアリティ系の国際会議に、私はAccessibility担当のOrganizersとして参加していたのですが、そのメンバーが関係していたことで声をかけてもらえたようでした。

まずはタクシー手配から

Dagstuhlのページにも書いてありますが、会場となるSchloss Dagstuhl、あまり交通の便の良いところではありません。最寄り駅から20~30km離れているうえ、タクシーも事前予約しておかないと駅では捕まえられないというお話。しかもドイツ語しかダメだよと脅される文面が出ています。というわけで最初は乗り合わせる相手探しとなります。そのために専用アカウントでログインしてアクセスできるWikiが用意されていて、時期が近づくと自然と皆が予定を書き込んでシェアし始める、という形です。

Turkismuhle駅。

私は少しWikiの書き込みが進んだところで、ひとつ前に書き込んでいたイタリア人とシェアすることにしてタクシー会社にメールして予約したのですが、同時期にDiscordも始まり、travel-plansチャンネルでやりとりが始まります。今回結構な人数(40名ちょっと)なので、すったもんだの末に14人が同じ時間にTurkismuhleに着くことになり、8人乗り×2台が手配された…はずでした。しかし着いてみると1台だけしか迎えに来ておらず、そのタクシーが2往復する羽目に。そこに着くまでの電車も途中で止まって乗り換えさせられたり、Deutsche Bahnらしい道中だったのですが、おかげでその場にいたメンバーと楽しく(?)過ごすことができました。さらに、実は最初にアクセスしたイタリアの方は同時期の違うセミナーだったというオチもついたのでした(何故彼女がWikiに書き込めたのかは謎です)。

Schloss Dagstuhl、その設備や環境

過去に参加した方々が色々レポートしていらっしゃるように、Dagstuhlはルクセンブルクの国境近く、閑静な森の中にあります。宿泊は「Schloss」と呼ばれるいわゆるお城の方と、渡り廊下で接続されたレセプションのある「新館」の両方にあります。

ルームキー登録機

Schloss Dagstuhlに到着すると、まずは事前に聞いていた4桁のコードで解錠して、レセプションへ。専用アカウントと同じアカウントネームとパスワードをドアキーを、登録する機械(右写真)に入力します。NFCのブランクキーをかざすと、部屋番号に対応する鍵情報が書き込まれます。それ以降はカードキーで自分の部屋やエントランスを解錠することができるようになります。

私はSchloss側でしたが、新館の参加者からは羨ましがられたので、参加者的には「当たり」の方なのかもしれません(単なるflatteryかも)。でも多分、新館の方が設備は新しいと思います。ちなみに新館側には広い会議室、図書館、地下にはサウナや卓球台、サッカーゲームなどがあり、Schloss側には小さ目の会議室、music roomと呼ばれるピアノやギターの備えられている部屋、食堂、そして酒盛り部屋?などがあります。music roomを抜けると細い階段を登る特別な宿泊部屋もあったりしますし、教会が併設されていたりもします。下の写真は左がschloss内のmusic room、右が新館のラウンジです。雰囲気の違いが伝わりますでしょうか。

ギターやピアノなどの楽器の置かれたシャンデリアの吊るされたmusic roomと、モダンなデザインの椅子やライブラリに通じる螺旋階段などが見える新館ラウンジ。

シングルの宿泊部屋の設備としては、90cm幅くらいのベッド、机、クローゼット、シャワーとトイレと洗面台。テレビはありません。普段からほとんどテレビは見ませんが出先のホテルではモニター替わりによく使うので、今回「テレビ(モニタ)はないだろうな」と思ってサブモニタを持ってきたのは正解でした。

通信環境はあまり良くはない、とぼやく参加者も多かったのですが、2桁~3桁程度のスピードは出てました。

食事環境

朝食は7時半から、普通の欧州ビュッフェです。日を追うごとに夜が長くなるため(^-^)7時半に来る参加者は減っていきます…。そしてランチは12時、ディナーは18時、間の15時くらいにはケーキタイム、と食事については至れり尽くせりです。また、新館・Schlossどちらにもラウンジ的な場所がありコーヒーマシンが設置されており自由に飲むことができます。

よくDagstuhlセミナーの報告記事を読むと「テーブルにネームタグが置かれてシャッフルされてコミュニケーションを促進する」と書かれていますが、これはどうもそんなに計算されてシャッフルされているわけではなく、キッチンスタッフが適当に(…と言うと失礼ですが)並べているだけのような気がしました。というのも、私は海産物アレルギーがあるので一応Webのリクエストシートに書いておいたのですが、その結果ほぼほぼ毎回同じテーブルにネームタグが置かれて、ベジタリアンで登録しているメンバーと顔を合わせる回数が非常に多かったのです。彼らも「いつもこのテーブルだなぁ」と呟いていました。確証はありませんが、キッチンスタッフが分かりやすいように配慮の必要(そうな)参加者をまとめておくような印象を受けました。

また、ワインやビール、ジュースや水といった「ボトルに入ったもの」は自己申告制で専用の用紙に消費した数を記して行き、チェックアウト時に清算する仕組みです。毎晩毎晩、結構な(お酒の)ボトルが消費されていきます…

参加者の出身

Participantsリストに国名がツーレターで書いてあるのですが、例えばDEだからドイツ人、NZだからニュージーランド人、…とは限りません。当たり前なのですが、あくまで「現在の所属」がそうなだけです。実際に話してみると、生まれや育った国・学位を取った国・今働いている国、がバラバラなメンバーがちらほらいらっしゃいました。色々なお国事情を聞けて面白かったのですが、「ニュージーランドは公式に結婚しなくても子供を産んで育てるのに苦労しない」という話が印象に残っています。

Seminarの内容について

肝心の内容について書いていませんでした…。スケジュールはセミナーページに載っていますが、基本的にいくつかのプレゼンテーションとディスカッションで構成されています。プレゼンテーションはメンバー内の当事者(視覚障害者、車椅子利用者)や非営利組織のEnvisioning Accessのスタッフなどが担当しました。Envisioning Accessは肢体不自由者支援をしているのですが、そのルーツが「介助猿」の飼育や手配、管理等にあるというのがなかなか日本では考えられず興味深かったです。(私が知らなかっただけかもしれません)

議論についてはMiroを利用しつつ、用意された様々なテーマに従ってWorld Cafe形式で進められました。とはいえ、最初のグルーピングだけシールカラーによってランダムに行われたものの、その後は新たなテーマ設定が話し合われて、Miroの投票機能を使って希望するテーマの議論に加わるという形になっていきました。

最初に用意されていたテーマは「Chances of XR for people with accessibility」「Application Areas for People with impairments」「Accessibility for Social interactions」など、20種類に亘ります。

その後、2日目以降は「Non-Visual Interaction in XR」「Accessible Tangible Games」「AI as enabler for XR Accessibility」「Lower Vision Interaction in XR」などで、私はTangible gameのグループにずっと参加していました。

利用ツールは前述のMiroの他、Google Docsや開始前から始められたDiscordなどで、情報共有とディスカッションが延々と続きます。分野的にもコミュニティ的にもアウェーなのでかなり苦労しましたが、色々と勉強になりました。

Demoセッション

何名かが自分のシステムを持ってきて体験してもらうDemoもありました。私は本来AR/VRな人ではないのですが、デバイスとして興味を持ってもらえるかと思いSC-10を無線で動かす「片手点図ディスプレイ」を持参して体験してもらいました。

Oculusを被って赤ちゃんを抱っこするシミュレータというかゲームなどもあり、あやしているうちに床に落としてしまう事故が頻発していました…

Excursion

水曜日の午後にはエクスカーションがあり、希望者はバスでTrierに出向いて、短いガイドツアーに参加しました。何名かはTrierには興味がなかったり自分の仕事を優先させたりしてDagstuhlに残りましたが、その後合流してワイナリーの「Weingut-Weinstube-Restaurant von Nell」に全員で移動し、工場の見学と食事、そしてワインを楽しみました。

Geocaching

メンバーの中にGeocachingを愛する方が数名いらして、食後の散歩・ハイク中に2回ほど見つけていました。ネタバレになるので詳しくは書けませんが、なかなか凝った仕組みのものが隠されていて、一同楽しんでいました。

Ghost hunt

宝探しと言えば会場内でもQRコードを使ったGhost Huntingが企画されていて、80個以上のGhostを求めてあちこち探し回る参加者の方もいらっしゃいました。最後は壁の案内モニターの角に現れるQRコードGhostを捕まえるため、皆で付き合って我慢強く待つ姿が見られました…


というわけで本当に書ききれない、充実した5日間を過ごしました。帰国してからもDiscordでの議論がじわじわ進んでいます。

ICCHP24終了、リンツにて改めて知ったことなど

General Chairを務めさせて頂いたICCHP24も無事終わりました。正確な値ではありませんが42か国以上から学会スタッフ含めて370人程度の参加者、と耳にしました。お陰様で日本からの参加者も比較的多く、本学関係者の発表も院生2名を含んで9件と、多めの年になったかと思います。ご参加いただいた皆様ありがとうございました。

さて、Linzへの訪問は2001年に新潟大の渡辺先生と訪れたのが最初ですが、その後2002,2006,2008,2012,2016,2018にICCHPで来ていますので今回で8回目。私にとっては回数的に一番多く訪れている海外都市になります。そんな何回も訪れているオーストリアですが、恥ずかしながら今回初めて知ったことも多かったので学会とはほぼ関係のないネタなのですが、書き記しておきたいと思います。

高速道路は有料。

ここのところリンツでのICCHPが終わった後はKlaus先生がご自宅に招いてくださいます。その際の移動に高速道路に乗りますが、ゲートなどもないのでてっきりオーストリアはドイツの普通車と同様に無料なのだと思っていました。しかし聞いてみると無料ではなく年間いくら、という料金を支払っているとのこと。チェックはカメラでナンバープレートを読み込むことで行なわれているそうです。高速道路をたまに使う、というドライバーの場合はマンスリーパスやウィークリーパスなどをオンラインで購入するという話でした。

ナンバープレートは個人に属する。

高速道路料金にも関係するのですが、ナンバープレートは1人1枚、ドライバーに対応しているということです。これは全く予想していませんでした。どういうことかというと、車を2台持っている場合、ナンバーを付け替えて運転するのです…。一人で2台持っている場合、1台目を利用中に2台目を誰かに貸すということはできません。というか、2台目を人に貸した場合には借りた人が自分のナンバープレートをつけるのですね。「日本ではナンバー外したら犯罪」と言ったら笑っていました。

ちなみにリンツを走っている車のナンバーは英文字、数字、英文字と続いているのですが。最初の英文字1つか2つは「都市コード」になっています。

母親と同じ名前を子供につけるのはそんなに珍しくない。

ふと話題に出た「母娘が同じ名前」。これややこしくないんでしょうか。不思議です。3世代同じ名前とかもあるそうで。しかし自分の経験上、「Young〇〇/Old〇〇」となるのが必至なので、それが嫌で(=自分がold側になるのが嫌なので)断ち切った、というお話も聞いたりしました。

山や丘の上に小さな教会があると、道中12か所のお祈りポイントがある。

すいません、常識なのかもしれませんが知りませんでした。全く宗教に詳しくないのでうまく説明できないのですが、小高い丘の上に教会やモニュメント的なものがある場合、そこに至る道中に12箇所の碑が設置されていることが多い…ようです。しかしキリスト教を始め宗教的な文化は何度聞いても忘れます。大聖堂の司教やら教区やら、そういった知識も毎回検索しては忘れ、を繰り返しています…


写真は2008年から参加させて頂いているYRC(Young Researchers Consortium)での集合写真です。若手育成にちゃんと力を入れているのもICCHPの素晴らしいところだと思っています。今回はフランスが多かったのですが、ハンガリー、カナダ、ドイツ(スペイン人)、ポーランド、日本などから11名の若手が参加してくれました。フランス人の学生は、2018年に参加していた学生が先生になって間接的に面倒を見ている学生ということで、うまく循環していることを実感しました。

いわゆる「次々{販売|商法}」

最近LINE経由での過量契約トラブルが増えたのか、ここ数日ニュースで耳にする「いわゆる次々販売~」というフレーズ。恥ずかしながらあまりこの単語を認知していなかったので少し検索。

そのまま「次々販売」で調べると平成28年の消費者契約法改正のタイミング、2016-17年頃の法律関係のページが多く当たりました。その前はどうなのかな…と「before:2015/12/31」などを加えて過去に遡ります。2007~8年頃の呉服販売の注意喚起、2002~3年頃の高齢者ターゲットについてのクーリングオフなどのページが出てきました。言葉としては1990年台から(もしくはもっと前から?)あったような気配です。

一方、国民生活センターに絞って「site:kokusei.go.jp」を加えてみると、平成19年の業務実績報告書が最古の様子。サイトリニューアルなどで昔のデータが消失しているのかもしれませんけど。

「次々販売」はそれほどユニークな(固有な)名称ではありませんが、関連してこのような呼称のネーミング、誰がどうやって決めているのかな…と調べているうちに面白い記事も見つけました。
自然消滅した「母さん助けて詐欺」命名の裏事情
ふむふむ。

振り返って自分の「ネーミング」。試作デバイスやシステムに名前をつける機会がこれまでありましたが、失敗したのは1999~2003年頃に手がけたペンで描ける触覚ディスプレイ。「ひっかいたら浮き出る」ということで「電子レーズライタ」としたこともありましたが、ミミズ腫れのイメージからなんとなく、本当になんとなく「MIMIZU」と呼び始めてしまいました。

筐体のカラーが変わる度に「ミミズレッド」「ミミズイエロー」「ミミズブルー」などと戦隊モノっぽく進化してきましたが、国際学会に出す際に「ミミズ腫れ」いやそもそも「ミミズ」自体のイメージが全く良くないことに改めて気づいて絶望しました。Multimedia Interactive…Unit.とか誤魔化すこともできずそのまま「MIMIZU」でSpringerのLNCSに出てしまっているのはかなり反省点です。

What time is it ?

先週、久々に東北新幹線で出張してきました。写真は上野駅の待合室にある電光掲示板です。

待合室の電光掲示板、出発する各列車の時刻が表示されています。

上越・北陸新幹線と東北系新幹線、それぞれの出発時刻順に各列車の情報が並べられているのですが…そう、「今何時」なのかこのパネルだけでは分からない、つまり出発までの時間的余裕がすぐに分からないのです。やはり真ん中に時計が欲しいような気がします。

…と思って左の壁を見ると、お。デジタル時計がありました。しかし…

デジタル時計。かなり表示が見にくいのです。

どこのセグメントが光っているのかすぐには分かりませんでした(-_-;


鉄道はあまり詳しくありませんが、日本では、地下鉄や路面電車など比較的本数の多い交通機関においても「次の出発時刻(って言うんでしょうか)」や「次の次の出発時刻」が表示されていると思います。しかしこの方法だと時間的な余裕を知るために「現在時刻を確認して、引き算する」という多少負荷のかかる作業をしなくてはいけません。スマホを取り出すのに苦労するような方もいらっしゃるでしょうし。一方、欧州のメトロや路面電車では次の車両が「到着するまでの時間」が表示されていることが多いような気がします。

それは時間に正確な運行が行われていないから、という見方もありますが、現場で現在時刻を確認しなくても次のプランが考えられる欧州式は、それなりに便利です。インタフェースとしてどちらが良いのかはどこかで議論されているのでしょうか。興味あります。なぜ日本は時刻表示になったのかとか。


今年の春あたりJRが順次時計を撤去しているというニュースを読んだ記憶があります。腕時計をしない人も増えてきたので、スマホが手元になかったりバッテリー切れになっていたりすると、ホームでキョロキョロする羽目になるかもしれません。

いや、多少遅れてもスマホで連絡するので「あまり時間を気にしない人が増える」のかも。

狐と狸

他大学で学んでいる中国の方と韓国の方、お二人を交えてお話していて、「日本では狐と狸はセットなんですが、お二人の国ではやはり違いますよねぇ…」という話題になりました。両国ではこの2つの動物にあまり関連性はないそうで、不思議がられました。

その時は同席した日本人の方々と共に「うどんと蕎麦の話からペア概念が産み付けられているのだろう」という話で落ち着いたわけですが、しばらくして、昔話にも出てくる組み合わせの方が古いのかもしれない、と思ったりしました。狐と狸の化かし合いのお話です。あれはもう化かし合いではなくだまし合いで狸が非道なことをやるのですが(笑)、両動物とも「人をだます」ものとして捉えられるのも、もひょっとしたら日本特有なのかもしれません。関係ありませんが最近は仮面ライダーのモチーフも赤い狐と緑の狸でしたっけ。

ヨーグルト+コショウonパスタ

近所の中東の方からよくお料理を頂くのですが、この日は「今できたばかりだからパスタ持って帰って食べて」と差し出されました。

彼「ちょっとスパイシーだから大丈夫か味見して。」
私「うん、まぁ大丈夫だと思う。ちょっと辛いけど好きな味。」
彼「(ちょっと辛い、という表現に反応して)ヨーグルトかけるから待ってて。」

…で、出てきたものにはヨーグルトと「Black Pepper」がワサワサかかっておりました。「辛さを鎮めたいのか増したいのかよく分からんなぁ」と思いながら受け取り、自宅で楽しみました。パクチーも効いていて異国情緒溢れる美味しさでした。

ヨーグルト+コショウonパスタ、自分の常識を疑って新しい組み合わせを試みる大切さを教わった気がします。いやそんなに大きな話ではありませんけど。

ikigai

ikigai diagram

この夏はJSPSの短期海外研究者招へい事業にてインドのマドラス・クリスチャン・カレッジからRobinson Thambraj博士をお迎えしています。日々山のようにノートにアイディアを書き溜めているRobinは会うたびに新しいアイディアについて話してくれます。

もちろん研究の話題以外に雑談もするのですが、先日「インドではikigaiが流行っている」と聞いて「?」となりました。「ikigaiですよikigai!」と言われて「生き甲斐」のことだと分かり、検索してびっくり。なるほど2015年ごろから日本の「生き甲斐」の概念は世界に広がっているのですね…

画像検索結果には、what you love / what you are good at / what the world needs / what you can be paid for の4つの円が描かれた図が並びます。 love / good atの重なるところにはpassion、love / the world needsの重なるところにはmission、the world needs / you can be paid forの重なるところにはvocation、you can be paid for / good atの重なるところにはprofession、そして4つの円が重なる場所に「ikigai」となっています。

ikigai diagramやpurpose diagramなどと呼ばれるこの図を含めて、ikigaiがそんなに注目されているとは恥ずかしながら初めて知りました。普段分かって使っているつもりの単語はわざわざ検索しませんものね…

https://www.bbc.com/worklife/article/20170807-ikigai-a-japanese-concept-to-improve-work-and-life

まるっきりこの話題とは関係ありませんがRobin曰く「日本の空の青は濃い。赤道直下のインドとは発色が違う」そうです。「雲の形や影も違うんですよ」とインドっぽい英語でつぶやきながらパシャパシャスマホで空の写真を撮っていました。