小林@筑波技大/福祉工学やら支援技術やら

月: 2022年6月

おもてなしガイド

おもてなしガイドアイコン

関わっている研究分野のひとつに博物館・美術館・水族館等文化施設のアクセシビリティがあります。入口で貸し出してくれる音声案内ガイドの使いやすさなどに興味があるのですが、最近は専用機器ではなくスマホによる音声ガイドも増えてきました。コロナ前、2019年に訪れたアムステルダムのRIJKS MUSEUMでもアプリが用意されていて、魅力的なコンテンツがもりだくさんでした。施設側はコンテンツ管理がサーバで可能、ユーザ側は自分の端末が利用できて衛生的、スクリーンリーダー対応してくれていればとりあえず視覚障害者も使える、とまぁメリットが多いです。

そんな中、とあるミーティングにてヤマハの「おもてなしガイド」を知りました。2015年あたりに実証実験を進めているので結構古くからあるものですが、これまで使ったことがありませんでした。つくば近辺にはスポットがないのですが、京都に行く機会があったら試してみたいと思います。

これは可聴域外の信号をスピーカーから出して、マイクで拾うことで音声・音響情報以外の、でも関連した情報を画面に表示したりできるというものです。しかし公式ページを見ても何をしているのか分かりにくいですね。イメージ先行なのも良いのですが、もう少し技術的に何がポイントなのか書いてくれると、使いどころとか使えないケースとか想像しやすいと思うのですが…。音を聞いて翻訳してくれる、という表現だと音声認識と間違う人がいそうな気がします。

スピーカーで情報を送るということから、同期信号を乗せて字幕のタイミングを合わせる「UDCast」を思い出しました。ちなみにUDCastのサイトはシンクソノラのことがちゃんと書いてあり、分かりやすくなったと思います。以前は「字幕データが送られてくる」と誤解した人もいたようですが、「音に入っているのは同期信号だけですよ、そこがキモです」と技術情報として出ています。

(しかしおもてなしガイドのトップ動画、2015年だとしてもデニムの上下は流石にナイのでは….)

Shall/Should

ISO(International Organization for Standardization)、JISの国際版ですが、そのISOの文章を読んでいるとShallが強い要求事項で、Shouldが弱い要求事項です。先日とある会議で改めて思い出しました。

  • Shall=すべき、しなければならない。
  • Should=することが望ましい。

ということです。他の英語解説サイトにもよく書かれていますが、日本人は逆のイメージを持っていることが多いそうな。確かに私もそうです。自分で英語を話す時にほとんどShallを使わないこともあると思いますが、「Shall we dance?」というフレーズのせいではないかな…と。疑問形だと結構ソフトな印象ですよね(違うかな)。

また、同様な助動詞ネタに「must」と「have to」が扱われているのをよく目にします。mustが自発的なものでhave to が外的要因、のような解説が添えられています。自分の記憶にある会話で「You must do it.」と言われたことがありますが、文字だけだと強制力があるように見えます。しかし会話の中では「(それはきっとあなたのためになるから)やるべきだ」というニュアンスでした。前後の文脈は大事です。

SIGACIワークショップ

今年もヒューマンインタフェースシンポジウムで研究会ワークショップを実施することにしました。現在サポートページを本サイトに作っているところです。

SIGACIのワークショップは、2015年のはこだて未来大学のシンポジウムから毎年行ってきています。せっかく学会に参加しても他大学の学生さんたちと交流できないのはもったいないなぁ、という思いから学生交流を目的として続けていますが、2016年からしばらくはハードウェア工作ネタにシフトしました。

スタート当初は「ハードウェアにちょっと手を出してみるワークショップ」ということで加速度センサを使ったワークショップ。岡山県立大の石井先生のところの学生さんや新潟大の渡辺先生のところの学生さんたちが参加してくださいました。学生さんたちによってワイヤの使い方が異なり、性格が出ていたのを思い出します。

2017年、大坂工業大学の時は「ハードウェアにもっと手を出してみるワークショップ」。ESP8266とスマホの通信をやりました。かなりお土産としては良いモノだと思っていたものの、当日まで参加者が集まらずに大会長まで参加してもらったりしました。

2018年、筑波大でのシンポジウムは幹事も担当しつつ、ワークショップも頑張って続けました。「ハードウェアと戯れるワークショップ」というタイトルで、スピーカーを接続したArduinoでシンセサイザーみたいなものを作ったように記憶しています。近場ということで、本学の学生にも参加してもらった回でした。

2019年の同志社開催シンポでは、ワークショップではなく講習会「ハードウェアスケッチ」の方にジョイント参加させてもらいました。小林茂先生の講習会で、ネットワーク上でのスケッチなど体験させて頂きました。

コロナ直撃の2020年はシンポジウムではなく「コロキウム」という形での開催でした。ワークショップはZoomでの開催となりハードウェアネタではありませんでしたが、色々な方をお招きして良いお話が聞けました。

昨年2021年は工学院の田中先生に音頭を取ってもらって、オンラインの「研究室見学」を実施しました。学生さんたちのレポートが、現場感があってよかったです。

というわけでしばらくぶりのハードウェアワークショップ。無事実現できることを願っております。