準備に関するレポート
制度が変わって最初の年．個人的に子供の年齢やら学内の状況やらでラストチャンスだったわけだが，運良く採用された．まずは準備に関する記録．2004.12.8更新
申請から採択まで
制度の変化
例年9月末公募通知，10月締め切り，翌年度執行の「在外研究員制度」は，2004年春の国立大学の法人化を受けて廃止され，代わりに「海外先進教育研究実践支援プログラム」となってリニューアル．これまで個人の研究目的だった派遣事業が，大学の教育理念とマッチした「教育のためのプログラム」に変わると同時に，募集対象が私立まで広がった．ちなみに2004年度は上限400万円，約400人程度の採用予定で通知された．
申請スケジュール
2004年はこのプログラムの初年度ということで，6月29日公示，8月4日必着締切，9月末通知というかなりハードなスケジュールだった．この年は特にそうだったのかもしれないが，大学への正式文書通知よりもWebアップの方が早いので，応募希望者はよくチェックしておくのがよいと思われる．（しかしこのスケジュールだと審査委員の方々は夏休み中申請書類とにらめっこだったんでしょうね．）
採択通知
採択通知は2004年9月24日．研究協力係より電話があった．応募総数780件，採択520件，通過率66.7%．
採択後の準備
ドイツのビザについて
通知が来るまで何も準備していなかったことを後悔．早速大使館に電話．国内で取得できるビザは
- シェンゲンビザ
と呼ばれる3ヶ月間だけ有効かつ１回しか入国できないものであり，長期滞在の場合は入国後申請することを知る．ドイツに行く研究者の場合は，このビザを取る人は半分くらいだそうだ．行ってからすぐに銀行口座を作りたい場合などに必要らしい．今回は出発までに２ヶ月しかないことから，とらずに行くことに決める．また，現地でビザ申請に必要なものは，
- パスポート
- 写真
- インビテーションレター（現地の大学の）
- 経費支援証明書（英語）
- 医療保険証明書（英語）
- 戸籍謄本（独語）←家族を連れていく場合
とのことだった．
戸籍謄本
戸籍謄本の独語訳は，まず大使館の指定したところで行なう必要がある．３つ紹介された．
- エス・ウント・エー有限会社
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- 佐々木さん（個人）
どこに頼んでもよいとのこと．Ｗｅｂページの見つかったICSに頼むことにした．戸籍謄本を封書で送付．返信用封筒をつけて送ったが，結局使われずに佐川で送ってもらってしまった．その後ドイツ大使館ページを見ると，ビザに関する情報が追加されていた．上記３つの翻訳者の他に
- ウイルヘルム菊江
さんが入っていた．ついでに「佐々木さん」は「佐々木征子さん」らしい(^^;ちなみに戸籍の翻訳依頼時に注意するのは，「固有名詞のふりがな情報をつける」こと．うちの場合は家内と両親，子供ともに（つまり自分以外は全員）特殊な読み方をする名前だったので必要だった．当然住所のふりがなも必要．（濁音かどうかとか結構意識していないことが多い）それから意外な落とし穴に「市町村長のフルネーム」がある．この時点でつくば市の市長は「藤澤順一」．答えは「ふじさわまさかず」．てっきり「じゅんいち」だと思っていたが，偶然長男の幼稚園の運動会で電報が読み上げられて気づいた（笑）．（11月の選挙で次期市長は市原氏が当選しました）
戸籍謄本の認証
正式に何と呼ぶのかよく分からないが（認証？），翻訳してもらった独語戸籍謄本は，一度大使館に行ってハンコを押してもらう必要がある．いわゆる「お墨付」を頂くわけだ．当然のように午前中しか領事部は開いていないので，午前中に行く必要がある．入り口で入念なボディーチェックを受けて建物に入り，番号札を持って呼ばれるのを待つ．幸いなことに僕が足を運んだ時には待ち人数ゼロだったので，１時間半かけて到着して２分で用事は済んだ．
航空券
航空券の料金について．時期はずれなので安いのかと期待していたら，９ヶ月先の往復便ということは１年オープン．通常夏に行っている格安料金の倍の値段だった．しかも直行便（ルフトハンザor日系）には１年オープンはないとのこと．結局ロンドン経由のヴァージンアトランティックにする．
銀行口座
とりあえずCITIBANKに口座を作る．Webで資料請求，５日後くらいに到着．郵送で申し込むと１週間ほどでPINコードお知らせ葉書，T-PINコードお知らせ葉書，カード本体，の順で届いた．この秋の金融庁事件のせいでマルチマネー口座は開けないようだ．ま，今んとこ必要ないのだけれど．まずはPINの変更．数日して変更のお知らせ葉書も届いた．(10月28日以降，マルチマネー口座も開設終了...必要ないけど．）
国際免許
大型二輪も乗るし，クルマの運転も好きな方だが，マニュアル，逆ハン，逆走行車線，子供つきだし，あまり向こうではしたくない．しかもトラムが発達してるので必要もなさそうだ．でもまぁ身分証明のひとつとして持っていって損はないので作ることにした．昔ハワイに行く際に作った時は，水戸まで行かなくちゃならなかったが，今はつくば市で申請可能．しかもこの2004年11月からは，即日交付になった．窓口に行って2650円の収入印紙を買い，パスポートと5cm×4cmの写真を添えて印紙を貼った申請書を出すと10分くらいして出来上がる．パスポートと同じサインをしておしまい．
保険
ざっと調べるてみるとＡＩＵに加入して在外に出かける人が多いらしい．ここで私は大きな誤解をしていたのだが，「家族用」の保険は，家族１名あたり１つ入らなくてはならない．当たり前といえば当たり前だが，最初，自分用と家族用と１つづつ入れば全員カバーかと勘違いしていた．ということで家族用は妻と子供２人で３人分．9ヶ月の保険となるとかなりの金額である．ＡＩＵのプランで40万円弱になる．結局，死亡保険金は要らないと判断し，そういうプランのある損保ジャパンにした．（30万弱）しかし，最初送られてきた英文の証書がまったく役立たずで焦った．表に保証金額が何も記されていないのだ．これは何故かというと，家族用の分も含むかららしい．内容が異なる場合もあるので，全体の金額は無記入で，詳しくは別紙，ということ．しかししかし，この別紙，日本語でしか書いていないのだ．その後クレームをつけたらすぐに英文の証明書を出してくれたが，目的は伝えてあるんだから最初から出してくれればいいのにね．
写真
とりあえずビザ申請に家族分の写真が必要なので用意．子供をインスタント写真で撮る場合，３回くらいシャッターを切ってその中から選ぶ方式のものが重宝する．（「前向いてて」といってもなかなかじっとしていられない場合，何度も撮り直さなくてはならないので．）また，何枚必要になるか分からないので，出発前に600dpi程度でスキャンしてデータとして持ち，更に家族まとめて4.5cm×3.5cmくらいの大きさで光沢紙にプリントしておいた．
住居について
大学のゲストハウス
12月から9月という中途半端な時期のため，先方の家族用ゲストハウスは空きがないとのこと．仕方がないので一般の家具付きアパートを探してもらう．
Homecompany.de
仲介手数料は取られてしまうが，Webで物件が見られるのは便利．Homecompany.deではドイツの家賃相場なども分かる．結局向こうの秘書さんから連絡があった物件も，この会社を通して紹介されたものだった．
解約手続きなど
主にカミさんが連絡をとってくれて解約してくれたものは以下のとおり．
- 新聞...これは問題ない
- 電気...帰ってきてからもブレーカーを入れればすぐ使える
- ガス...同上，すぐ使える
- NHK受信料...不祥事続きだったせい(?)か，すんなりOK．電話一本でまた再開してくれるとのこと．
逆にダメだったのは
- 電話...止めると番号が変わる．9ヶ月なので番号が変わるデメリットの方が大きいと判断．
である．融通利かないなぁ〜．それから
- 携帯電話
は，端末を持って本人がショップに行かなくてはならず，またそのときにしか回線を切ることができない．つまり，出発ぎりぎりまで利用して１日後に解約，ということはできない．成田での連絡手段はないわけだ．海外利用できる携帯という手ももちろんあるが，着信時に利用料がバカ高い現状ではあまり使う気にはならないのでスッパリ12月はじめに解約．（もともと「鳴らない携帯」だったし未練なし(爆))
また，解約ではないが，
- 郵便物
は実家に転送することにした．しかし郵便に関しては，金融機関系の処理が面倒だった．転送してはいけないらしく，会社側に送付先変更のための手続きをしなくてはならない．親子関係の証明書類（戸籍謄本など）と，親の身分証明書（免許証など）のコピーが必要だった．
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