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塵芥に関するレポート

ドイツというと,ゴミの分別に厳しい,というイメージがあった.Webでもそんな情報があちこちに.ところがどっこいカールスルーエでは分別とは程遠く…?

※このページに書かれていることは,あくまで個人的に理解した範囲での話です.しかもドイツは地域や時期によってシステムがかなり異なりますので,ご自身がドイツで生活される際の参考にはしないでください.

2005.2.11 更新 電池回収箱について追記

分別について

みんな一緒?

最初,住宅の入居時に大家さんにゴミのことを聞くと,「ガラスはグレーのボックスに,それ以外は緑のボックスに」と言っていた(ように思えた).それからもっと聞いていくと,「紙と金属とプラスチックとペットボトルは緑のボックスに」などとなり,ドイツ語の未熟さも加わって,日本で「燃える」「燃えない」「瓶」「缶」「ペットボトル」と分別していた身にとっては「???」な説明へと突入していった...

解答

それから数日後,大家さんとゆっくり話す時間があったので詳しく聞くと,なるほど納得した.結論から言うと,基本的に,「リサイクルできるもの」「リサイクルできないもの」に分かれているのだ.そして「リサイクルできるもの」は,すべてごっちゃにして緑のボックスに捨てる.それ以外はグレーのボックス.そしてリサイクル可能な方は回収後,分別センターにてキレイに分別され,リサイクルされるという.ここで「リサイクルできないもの」の代表格として,「生ゴミ」が挙げられるが,住宅においては「コンポスト」に放り込むこととなる.大家さんによると「3年かけて土に帰る」そうだ.コンポストのない集合住宅などの傍のグレーのボックスには,生ゴミが入っていたりする.

一方,大学内(研究室)でも,果物の皮などを含む「生ゴミ」だけ分け,「MÜLL」と書かれたゴミ箱に捨て,それ以外を一緒にして捨てる.情報処理学科の秘書さんによると「紙」も分けた方がよいと言っていたが,これは多分印刷物などのことを指しているようだった.

補足

実は,住宅のゴミに関しては,イラストなどを書いて下に住んでいる大家さんの父上(英語が少し分かる)に尋ねていったりしたのだが,父上の言うことと父上の奥さんの言うこと,大家さんが言うことが微妙に違ったりして大変だった.結局のところ,ゴミなど家事関係は実際にやっている人に聞かなくては正しい情報は得られない,ということだ.(父上は「緑のボックスでいい」と言っていたものがコンポスト行きだったりする(笑))

補足その2

ガラスについては,通勤途中に「白ガラス」「茶ガラス」「緑ガラス」(カラスの種類ではない)と書いた大きなゴミ箱を見かける.そこに放り込むとリサイクルされるのであろう.しかし一般的にビンはデポジットの対象なので,お店に持っていって換金することになる.(個人的には,日本でも缶ジュースやペットボトルなど全部デポジットにすれば町がもーちょっとキレイになるのでは,と考えていたりする.)下の写真はカールスルーエ駅前のSchlossHOTEL前にある3色ビン回収ボックス.通勤途中に見かけるものはこの3倍くらいの大きさがある.どちらにしろ,こんなに大きなゴミ箱の中身をどうやって回収するのか不思議に思うが,検索してみると巨大ユニック(クレーン付トラック)でぶら下げて,下のクチを開いてザザーっというようなことが書かれている(貯金箱ライク).実際に見たことはないが,ゴミ回収車と同様ドイツ人の力技が感じられるシステムである.

ゴミ箱

大学構内のゴミ箱の例

大学構内にも,街中にも,そして各家庭の軒先にも,大きなゴミ箱が置いてある.これらのゴミ箱は,回収日に道路脇に移動され,朝早くから大きなゴミ回収車がぐぉんぐぉん音をたてながら回収していくのである.写真は大学構内のゴミ箱.

ゴミ単語など

ちなみに,ゴミ箱に書かれているドイツ語としては以下のようなものがあるので意味を知っておいた方が現地に行った時に役に立つ(と思われる):

  • PAPIER(紙)
  • METALL(金属)
  • HOLZ(木材)
  • KUNST-STOFFE(プラスチック類)
  • GEMUSE,OBSTRESTE(野菜,果物の残り→生ゴミ)
  • SCHNITTPFLANZEN(切った植物)

ゴミ箱の色

どうやらゴミ箱の色(本体と蓋)によって決まりがあるようなのだが,まだ調査中である.基本的に緑色はリサイクル用らしい.上の写真と書かれている字を読むと,グレーの本体に緑の蓋は生ゴミ系である.全体がグレーのものはガラス用か?紙専用らしい.Webにも色々情報がありそうなので後日調べてみよう.

衣類専用ゴミ箱?

駅前の動物園脇で発見.ゴミ箱というよりチャリティー箱か.「KLEIDER*SPENDE」->「衣類*寄付」「SHUHE Ruecknahme」->「靴(の絵) 引き取り(Round take)」と書かれている.集めたものをどこか必要なところに持っていくのだと思われる.

電池回収箱

研究室でデバイス開発などしていると,電池のゴミもよく出る.そこでお世話になっているDr.Worshに「電池はどこに捨てればいいのか」と聞いてみたら,「近いのはそうだな,メンザ(学食)に行く途中にある黄色いこれくらいの(身振りで)箱があるから,そこに入れればいいよ.」と教えてくれた.なるほど何回か通っている道だったが,反対側の歩道だったせいもあって気づいていなかった.この黄色い箱は,街中でもトラムの駅などに見られ,皆電池はそこに入れるようである.日本だと公民館などで回収していることが多いが,結構そのまま「燃えないゴミ」で捨ててる人が多いような気もする.(アナタはどうですか?)

ゴミ回収車

朝のゴミ回収風景.運転手の他に2名作業する人がいて,道路脇のゴミ箱を次々に運んでくる.車の後ろにはフックとアームのような装置がついていて,自動的に中身が放り込まれる仕組み.ゴミ箱にもタイヤがついている.

分別処分場

大家さんに,子供達の健康診断のために病院へ連れて行ってもらう際,回収日に出し忘れたというダンボールなどのゴミを出すため,分別処分場へ立ち寄った.ここにはダンボールやコンクリートの塊,色別に分けられたガラスなどの分別基準で膨大なゴミが集められていた.また,堆肥の山も奥にあった.

Gelber-sack.de

ゴミの分別についてChristoff君に聞いたところ,面白いサイトを検索してくれた.Gelber-sack.de.ここではグリーン・ドットという包装に関するリサイクルシステムについて詳しく書かれている.他サイトの情報によると,1991年にドイツでは商品包装に関するリサイクル法が制定され,そのためにこのシステムを作ったそうである.

Englishページからトップメニューの「THE GREEN DOT」「PACKAGING FOR RECYCLING」へ行くと,アニメーションなどを交えてリサイクルの流れを細かく知ることができる.ちなみにサイト名は「黄色いゴミ袋」の意味.黄色いゴミ袋は,一番最初に大家さんが「オムツはこれに」と言って渡してくれた.他にも入れるべき対象物はあるのだが,ひと袋訳5ユーロほどする袋で,役場から購入する.それだけリサイクルにお金のかかるゴミ用ということなのだろう.しかし他の街に住んでいる知人などの話によると,黄色いゴミ袋はリサイクルゴミを入れるそうで,どうもゴミ袋の色や役目も街によって異なるようだ.また,私の住んでいるRheinstetten市では2005年1月より,上記のオムツ用(だけではないが)黄色袋は廃止されたようだ.(結構システムがコロコロ変わるんだな,と思う)


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