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SZS:活動に関するレポート

今回の渡航プログラムの主な目的は,カールスルーエ大学の視覚障害学生サポートセンター,SZSの活動状況調査である.本来ならこのページがメイン…な筈だが,生活についてのページの量が多いのはご愛嬌.いや,ちゃんと仕事してますってば.

2005.7.11 更新

概要

目的と活動内容

SZSについては,2000年にカールスルーエで行われた国際会議ICCHPの参加報告の中で,共著者の河井氏らが書いて下さっている.カールスルーエ大学に在籍する視覚障害学生のサポートが主な活動であり,入学前のケアから卒業後の就職まで情報提供などの支援を行う.

スタッフ

SZSのスタッフとしては,Informatik学科のRoland Vollmar教授と,Joachim Klaus氏をヘッドに,2004年12月現在,3人の女性(Angelika, Barbara, Andrea)と2人の男性(Michael, Gerhard)が構成員として働いている.Webにも書かれているが,Barbaraさんは全体を統括する秘書で,AngelikaさんはICCをはじめ,E-learningなどのプロジェクトを担当する.Andreaさんは図書とWeb担当,Michael氏はソフトの利用方法などの技術的指導にあたる.Gehald氏は唯一全盲のスタッフでネットワークの管理や点字資料のチェックなどを行っている.また,彼らに加え,Zivi(英語ではCivil service/Civil workerなどと呼ぶ)のChristoff君もこの時期活動に加わっていた.

ドイツにはいわゆる徴兵制度があり,適齢の男子は軍隊で過ごす.Civil serviceはその代わりにボランティアなどの活動を選択した若者が行う活動であり,Christoff君は軍隊に行く代わりにこの仕事を選んだ,というわけだ.彼は2004年8月から2005年4月までの間在籍する予定だという.結果,私の面倒を見るのは様々な雑用をそつなくこなす彼になる.

滞在期間中の活動について

クリスマスカード

到着した頃(2004.12)はクリスマスの時期だったため,上の写真のようなクリスマスカードを関係者に発送する作業を行なっていた.墨字プリンタで出力した後,点字プロッタのTigerで点字とツリーの絵を打ち出している.

MoDe 2004年冬学期

SZSでは,毎月「月曜デモンストレーション(Montags-Demo)」として講演会企画を行なっている.これを略して「MoDe」と呼んでおり,SZSのドイツ語ページに毎月案内が出る.別のページでも触れているが,着いた12月は13日に講演会があり,ハンブルグ大学からDr.Brigitte Roderが話をした.毎週月曜に行われるSZSのミーティングでは,このMoDeに関する打ち合わせなども行なわれる.(招聘する講師との連絡,必要事項など)ちなみにこの冬の各月の講演題目は

  • 10/25 Barrierefreie multimediale Bucher
  • 11/15 Vorbeugender Gesundheitsschutz durch den Verzehr von Carotinoidenerlautert am Beispiel der Altersblindheit
  • 12/13 Wie Blinde die Welt wahrnehmen
  • 1/24 Augenlied - Ein Film ausschliesslich mit Blinden!

である.

5月のオリエンテーション案内発送

SZSでは,5月頭に視覚障害者の子供を持つ親や本人を対象とした大学学習のためのオリエンテーションを行なう.期間は3日間にも及ぶ.その案内を,2005年の年明け早々に発送するらしく,1月3日・4日にはChristoff君が必死に袋詰め作業をこなしていた.これには当日利用可能である近くのホテル案内や,アンケートなども含まれている.

2004/12-2005/1,Sun製Linuxのテスト

概要

サン・マイクロシステムズが視覚障害者に対応した,すなわちスクリーンリーダを内包したLinux(SuSEがベースらしい)を作っているそうで,SZSはそのテストを依頼されていた.2004年12月末に訪れた時期,丁度Michael氏がインストール作業を行なっている最中で,インストールが終了したらGerhard氏がチェックを行なう予定だそうだ.しかしインストールが難航し,5枚のCDのうち4枚目を返品,新しいCDの到着を待たなくてはならない,と言っていた.テストは年明けになりそうだ.(Michael氏は最初のバックレポートは自分だ,と言っていた.その内容はインストール中に「SuSE」のメッセージが出てくることらしい.)

実際に触れてみて

年明け,インストールの終わったSunを見せてもらった.Sunの現状をよく知らなかったのだが,今はSolarisと別にSuSEベースのLinuxにSunデスクトップと呼ばれるGnomeベースのものを被せて商品として面倒を見ているようだ.これは日本も同じ.さて,そのスクリーンリーダーだが,基本的にLinuxの音声出力は

  • Festival
  • mbrola
  • FreeTTS

などで可能であり,それをgnopernicusと呼ばれるインタフェースでコントロールしているとのことだ.これらの音声エンジンはほとんど無料で入手可能であるが,商用再利用についてはいくつか制限があって今までも問題になっているらしい.Festivalのドイツ語版はシュツットガルト大学が開発したらしいが,それを使った製品で今もトラブルがあるようだ.

このように,これまでLinuxをコンソールモードで主に使っていた視覚障害者は,Gnomeとgnopernicusの組み合わせによってXも使えるようになったと言える.この動きは最近のことらしい.Gnomeのアクセシビリティについては,日本語でも紹介されている.(2001年9月のニュースなど.私はUNIXと視覚障害者の世界にあまり詳しくなかったせいで知らなかったが.) gnopernicusのバージョンを見ても,昨年末で0.9ということでまだまだこれからの雰囲気である.

それではこのgnopernicusが何をやっているかというと,上記URLにもあるGnomeの画面表示用API,ATK-SPI(AT-SPI)に問い合わせをし,その情報をフェッチしてブレイルターミナルや音声出力に渡すという仕事をしている.そのため「Linuxのスクリーンリーダー」というのは非常に小さなプログラムで,1.5MB程度のものだ,とMichael氏は解説する.確かに音声出力は含まれないので小さいだろう.

しかし残念ながら,彼の部屋のSunはサウンド系の設定が終わっておらず,ピンディスプレイの出力だけで音声出力を聞くことはできなかった.

日本ではLinuxを視覚障害者が使う,というといささかハードルが高い印象がある(と私は思っている)が,こちらでは安定性のよさとフリーであるという性質から,視覚障害者の利用率は日本よりは遥かに高いと思われる.この違いは日本語の難解さから来ていると言えるだろう.

おまけ

「Sun」を「ざん」,「Gnome」を「げのーめ」と言われるとなんだかピンとこなかったりするので注意(しかし「ざん」はMichael氏の癖のようでもある).その後の別の会話で出てきた「あいざかーど(ISA Card)」にはしばらくアタマが「?」だった.ドイツ語的発想をしないと会話がかみ合わないこともあるのだ...(さて,「とらんずめーたー」は何でしょ?答えは低消費電力で有名なCPUベンダです.)

1/13, 2/1 HandyTec社GWPの評価

HandyTec社は触覚グラフィックディスプレイGWP(Graphic Window Professional)を利用するソフトウェアを大学のInformatikの学生と共同開発している.これはMapleという数学ソフトの表示をGWPに出すもので,GWP側からズームなどの制御ができるようになっている.(このソフトについては,学生さんの公開発表が12月にあったのでそれを一度聞いている.)

1月13日,このソフトウェアの評価を,視覚障害学生にしてもらうという目的で,同社のAlbert氏がGerhard氏に会いに来ていたので同席させてもらった.一旦内容を説明した後,評価に向いている学生をGerhard氏が紹介するという手順のようだった.

GWPは,中身は日本のKGS社製によるSC-5である.SC-5を横3,縦2の6つ並べて筐体内に収めてある.ミーティングの時間中,GWPはACアダプタをつけていないで動いているので聞いたところ,バッテリー駆動で6時間程度は持つそうだ.気になる価格は7000ユーロ程度と言っていた.さて,その評価対象のソフトウェアの方はというと,Mapleのグラフィック表示部分をフックして表示するものである.ちなみにMapleはドイツの高等教育現場では標準的に利用される数学ソフトらしい.(日本でも数学屋さんには有名だと思われる.私は制御出身なのでMathematicaくらいしか知らないが.)価格は2700ユーロ,学生の場合は190ユーロで買え,学校の場合はPC1台あたり1年間で140ユーロのライセンス料が設定されているという.

2月1日,再度Albert氏が来学.共同研究者の学生さんと一緒にPCをセットアップし,視覚障害学生による評価を進めるそうだ.

2/11 一般の視覚障害者の支援

2月11日(ちなみにこの日は秘書のバーバラさんの誕生日が8日ということで,ちょっとしたお茶会があった),比較的高齢の男性が奥さんを同伴してSZSを訪問.この方は疾病は聞いていないが,次第に視力が衰えてきたとのことで,読み書きに不自由を感じて相談に来たらしい.学生さんというわけではなく,一般の方ということだった.彼らはMichael氏がざっと拡大読書器などについて説明した後,Klaus氏の部屋で相談を受け,SZSを後にした.当然といえばそうだが,このような一般向けのサービスも行なっている.

2/12 期末テストの支援

2月12日,土曜日だが,Informatikの学生1名のテストをSZSで行なった.ZiviのChristoff君が全責任を与えられているのが興味深い.午前11時前,学生さんはミーティング部屋でPCのセットアップをする.そしてChristoff君からUSBメモリ経由で問題を受け取る(写真右).ちなみに科目はスペイン語.ざっと内容を聞いて,質問がなければ試験開始.特に時間制限は言われていないという.Christoff君は,学生さんが自力で解いているかどうかだけチェックする.試験終了後は,その場で墨字でプリントアウトし,後日担当教官が取りに来る.スペイン語とドイツ語の同時音声出力がどうなっているのかは疑問があるが,JAWSの出力メニューには「American ENglish, British English, Castilian Spanish, Latin American Spanish, French, French Canadian, German, Itarian, Brazilian Portuguese, Finnish」とざっと10種類あるので,同時にはムリだとしても,切替えれば問題なさそうだ.

(テストについては,その後も数回,SZSのオフィス内で行なわれた.)

3/7 KVVの触覚路線図プレス発表

カールスルーエ市を中心に張り巡らされている市電路線図の触覚版.この作成をSZSが中心になって行なっており,近くの業者に作成を依頼していたらしい.カラー印刷の上にサーモフォームで路線のエッジ部や点字の表記がなされている.この製品についてのプレス発表が3月7日に行なわれた.KVVのニュースページはこちら.凡例(Legende)が書かれた13ページからなる点字冊子もペアで作られており,両方併せて5ユーロとのことだった.(5 euro pro Plan mit Legende)

学生とのミーティング

SZSでは,ほぼ1月に1回SZSが支援している学生を集めてミーティングを行なう.だいたい水曜日の放課後にやるようだ.任意参加だが,ここでお互い新しい情報の交換を行なう.電子メールでも随時情報提供や学生からの要望提出などを行なってはいるが,やはり直接顔をあわせて話をする方が何かと都合が良い.「基本はコミュニケーション」なのだ.

4/19 Jordanからの訪問

4月19日(火),ヨルダンからSZSに訪問客(4名.うち1名は通訳か?)があった.今後もカザフスタンやチェコなど,諸外国からの見学訪問が予定されており,頻繁に交流が持たれているようだ.直接会合には出席しなかったので,どのような話が行なわれたのかは分からないが,触覚ディスプレイも見せることができた.

4/26 植物園ツアー

4月26日(火),午後1時よりカールスルーエ大学構内の植物園(ボタニカルガーデン)ツアーが実施された.ツアーといっても,SZSから学生メーリングリストに期日と時間と内容が流されただけで,自由参加だ.残念ながら,学生さんは1人+サポート1人だけで,あとはSZSのスタッフ.総勢9名だった.

案内してくれた先生は,参加者が視覚障害者ということで,香りのするラベンダーやレモングラス,ミントなどを説明しながら,葉をちぎってまわす,というような進行の仕方をした.なるほど,香りなら楽しめる要素ではある.また,サボテンなどのひしめく温室では,アロエの葉をわざわざカットして中身の匂いや手触りなどを確かめさせたりしていた.個人的に印象に残ったのは,カカオの木とその実.実物を見たのは初めてかもしれない.アジアの植物を集めた温室には,竹や蓮,ヘチマもあったりした.

このボタニカルガーデン,平日は9:00-15:30の間自由に入れる.ノーチェックだ.治安の良さを感じさせる.

4/28 視覚障害学生向けのPowerPoint講座

4月28日(木),Gerhard氏がメイン,AndreaさんとAngelicaさんがサポートに入り,学生4名が参加したPowerPoint講座が行なわれた.基本的にJawsはスクリプトでPPTの作業画面を読み上げるので,こちらが思ったほど特別なことではない(残念ながらPCTalkerで試してみたが,読み上げてくれなかった).

更に講座内容としては,グラフィックな要素を使うことはなく,テキストベースでのプレゼンテーションファイルの作り方だった.(正直なところ,視覚障害の有無によらず,こちらのプレゼンは日本ほどグラフィカルではないのでテキストベースで十分役に立つ.)しかし,SZS側が用意していたのはOffice2000の環境で,学生が持ち込んだ自分のPCにはOffice2002以降が入っており,ペインの数が違うために進行が難しかったようだ.

2002の場合,作業ウィンドウが出るとペインが4つになる.ペインの移動には「F6キー」を押すわけだが,当然その時どのペインがアクティブになっているのかで,メインペインに戻るためのF6キーの押下回数が変化する.そこが混乱のもとだったようだ.

5/2-4 O-Phase

O-Phaseとは,冬に案内を発送した上記「5月のオリエンテーション」のことである.Orientationフェーズ,という意味と「ゼロ,ヌル」という意味をかけているようだ.今年の期間は2005.5.2-4の3日間で,基本的に大学入学前の学生を対象としている.内容は,大学でどういう支援を受けられるのか,大学自体がどのようなところなのかを紹介するものだ.このような企画は,日本だと「学齢の高校生」が参加する印象があるが,ドイツでは兵役やインターンシップなど各自の履歴は様々なので,参加学生も17〜23歳程度の幅がある.また,Abitur,つまり高校卒業資格があれば大学を選択するのは(基本的に)学生の自由だというバックグラウンドの違いも意識すべきだろう.すなわち,学生側は「入学できる」ことを前提に情報を集めに来ており,大学側も率直に情報を提供するという構図である.

さて,今回のO-Phaseは,昨年の教訓を生かして親と子を引き離すプログラムを用意したとのこと.どうやら昨年は親が自分の子供にベッタリでよくなかったらしい.また,大学案内も,最初の頃はアートツアーを行なったが,不評だったので変えたという.アートツアーというのは,あちこちにオブジェとして置いてある色々な古い巨大機械を巡るツアーだったのだが,それに対して「退屈だ」というアンケート結果があったそうだ.

初日(5/2)

初日は,SZSの隣のTelematikのビル4階(3.0G)の一室をベースに9時スタート.参加者は点字使用学生4名(うち女子1名),弱視5名(うち女子2名),親御さん(or引率者)7名の16名.簡単な参加者の自己紹介と全体プログラムの説明が終わると,Vollmar教授とKlaus氏の挨拶が行なわれた.10時過ぎに小休止を挟み,在学生3名による大学生活レポート.写真左はその様子だが,テレビの取材を迎えているのが興味深い.このようなアピールはドイツの組織は得意だ.そして昼食はメンザへ.昼食代は3日間,SZS側が持つ.

午後は大学構内案内.この日は最高気温30度に達する夏日で,炎天下の中歩くのは皆辛そうだった.写真右はその様子.体育施設見学,図書館見学などを経て,学生寮見学へ.学生寮はかなり広い印象.技短の寮と比較すると,個室は約2倍の広さだった.共用スペースに電子レンジなどの調理器具とダイニングテーブルが置いてあるのは同じだったが,こちらも広かった.(Gerhard氏いわく,彼の学生時代には12人でひとつのユニットだったそうで,最近の学生は恵まれている,とのこと)また,私は参加しなかったが,夕食は近くのレストランで一緒に取るプログラムが用意されていた.

2日目(5/3)

2日目午前中は,SZSの内部ツアー.弱視グループと点字使用者グループに分けられ,設備や部屋などを案内していた.午後はカールスルーエ市の担当者による財政支援と,DVBSのRichter氏による説明を1時間行ない,その後動物園へ移動.実は動物園は全盲者向けの企画であり,弱視者向けには視覚障害支援センターと盲学校見学等が予定されていたようなのだが,弱視グループも「動物園に行きたい」と言い出したため,急遽予定変更,大所帯での動物園ツアーとなった.このツアーには「家族もどう?」といわれていたので,私も家族と合流して参加させてもらった.

動物園の担当者は,色々な動物の音をカセットで聞かせ,何の声なのか当てさせるゲームをやったり,カメやヘビ,鹿の頭蓋骨を触らせ,更に象に触れさせる企画も用意していた.象に触れるのは学生達はかなり興味があったらしく,楽しんでいたようだった.(勿論息子たちも楽しませてもらった)この日も夕食企画があった.

3日目

最終日午前中は,大学の講義参加.予めいくつか聴講可能な講義リストが用意され,学生達はそれらから興味のあるものを選んで参加する.各学生は2コマづつ選ぶ.ゾロゾロと少しづつ見てまわるスタイルではなく,各自がみっちり参加するというのが面白い.当然手引きが必要な学生は教室まで引率はするのだが,教室に放り込んだら休み時間の迎えまでは何もしない.(今後ますます「学生はお客さん」的にならざるを得ない日本の大学では難しい運営方法だろう...)

昼食をとった後は,SZSで質問タイムと称するお茶を楽しんだあと,彼らは去っていった.

所感

いつでもどこでもそうなのだが,全体的に「話す」ことが主体である.ヨーロッパ人は話すことが好きで得意なのだろう(←これは国民性のような気がする).学生側も盛んに質問や意見を述べるあたりは見習いたい.逆に資料が全く用意されない点は参加者は不便ではなかろうかと思ったりするが,こちらの参加者は気にしないのだろう.それもまた国民性である.

企画はよくオーガナイズされてはいるものの,「あとは自由に」ということが多い.動物園でも後半は「自由行動」だし,授業参加も基本的には「個人の自由」だ.日本でも「自由時間」は設けるだろうが,こちらはちょっと違う.例えば2日目の動物園では,「じゃ,自由にして」と言われると,夕食のレストランの時まで自由なわけである.日本的思考だと,動物園の出口で一旦集合,皆でレストランに移動,となると思われるが,そうではない.当然今回の参加者は視覚障害を持っているわけだが,気にせず放ったらかしにする.全てにおいて「各自の責任」の色合いが濃いのが印象的だった.

6/24-25 IDOLセミナー

IDOLというのは,SZSの手がけるプロジェクトのひとつで,Inclusion of Disabled in Open Labour Marketの略称である.これはEU各国を対象とした財政支援をするレオナルド・ダ・ビンチプロジェクトに応募して採択された企画らしく,視覚障害者や肢体不自由者のLabour Market参加を目的として,その教育プログラムを開発するというものである.プロジェクト期間は2003.10.1-2005.9.30.スタッフのAndreaさんの雇用にも深く関係している.これまでに教育プログラムの作成を行なってきており,2005年6月24日・25日の2日間に実際にセミナーを行なってその後評価するという流れのようだ.

内容

6月24日の最初の数時間だけ同席させてもらった.参加者は9名で,視覚障害者が主だが,車椅子利用者も1名いた.話されている内容的には,日本の就職セミナーとPCスキルアップ講座を組み合わせた感じだった.


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